株価暴落時はどうするべき?新NISAにおける3つの鉄則とは
目次
「せっかく新NISAを始めたのに、大暴落で含み益が吹き飛んでしまった…」
「この先もっと下がるかも。NISAはやめた方がいいのだろうか?」
株価の急落に直面し、不安を感じている投資家の方も多いのではないでしょうか。しかし新NISAをはじめ、投資は一時的な下落に振り回されず、長期的な視点で続けることが大切です。
本記事では、暴落時の対処法と事前の備えについて解説します。これらを理解することで、暴落により資産のマイナスを目の当たりにしても、冷静に投資を続けられるようになるでしょう。
- 2024年8月に株価が大暴落した理由
- 株価が暴落したときのNISAの対処法
- NISA利用者が株価暴落に備えできる対策
- 株価が暴落する原因を知りたい人
- 株価暴落時にNISAはどうすればいいか知りたい人
- 株価暴落に備え今から対策をしておきたい人
なぜ急落した?株価が暴落する原因とは
2024年8月、株式市場は歴史的な下落に見舞われました。主な原因は、米国の景気指標悪化と日銀の利上げ発表です。
米国では雇用統計や消費者物価指数の予想外の悪化により、景気後退への懸念が高まりました。一方、日本では長年続いたマイナス金利政策からの転換により、急激な円高が進行。輸出企業を中心に業績悪化懸念が広がりました。
日本の低金利を逆手に投資家の間で行われていたキャリートレード(金利の低い通貨で借り入れ金利の高い国で運用すること)にも大打撃を与えたことが、暴落に追い打ちをかけたとも言われています。
このように、株価暴落の背景には通常、経済の先行き不透明感があります。過去の大暴落を見ても同様のパターンが見受けられるでしょう。
1987年のブラックマンデーは米国の財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」拡大への懸念、2008年のリーマンショックはサブプライムローン問題による金融危機、2020年のコロナショックはパンデミックによる経済活動の停滞が原因でした。
いずれも、将来への不安から投資家が一斉に売りに走ったことが、暴落の引き金となりました。
新NISA利用者必見!株価が暴落したときの3つの鉄則
新NISAを利用している方にとって、今回のような暴落は初めての経験かもしれません。しかし、慌てて行動を起こす必要はなく、以下の3つの鉄則を守ることが大切です。
これらの鉄則を守れば、損失どころか長期的には投資のリターンを最大化できる可能性も秘めています。投資初心者こそ、しっかり理解しておきましょう。
狼狽売りはしない
暴落時に真っ先にしてはいけないのが「狼狽売り」、つまり慌てて資産を手放してしまうことです。なぜなら、損失を確定させてしまうだけでなく、反発のチャンスも逃してしまうからです。
投資は長い目で見ることが重要です。例えば、リーマンショック時に日経平均は約1年で半値まで下落しましたが、その後約2年で元の水準まで回復しています。
このとき狼狽売りをしていれば、回復の恩恵を受けられなかったでしょう。新NISAであれば非課税期間が恒久化されているため、相場が戻るまで待つこともできます。
一次的な相場の変動に振り回されてはいけません。暴落は一時的なものであり、長期的な視点で見れば経済は成長する傾向にあることを覚えておきましょう。
NISAの積立は続ける
暴落時こそ、NISAの積立投資を続けることが重要です。
理由は、ドルコスト平均法の効果により、平均購入価格を下げられる可能性があるからです。また、自動化された積立投資は人間の感情に左右されず、合理的な投資を続けられるメリットもあります。
例えば、毎月3万円を積み立てている場合、暴落前は3万円で10口しか買えなかった投資信託が、暴落後は15口買えるようになるかもしれません。これにより、将来の上昇局面でより大きなリターンを得られる可能性が高まります。
さらに、長期的に見れば投資期間が長いほど複利効果が大きくなるため、積立を続けることの意義は大きいのです。
投資の目的を再確認する
株価暴落時こそ、自身の投資目的を見つめ直すべきです。多くの人が、教育資金や老後資金など、長期の目標のために投資していることでしょう。
目的を思い出すことで、一時的な市場の変動に惑わされにくくなります。また、現在の投資戦略が目的に照らして適切かどうかを再評価する良い機会にもなります。
例えば、20年後の子供の大学資金のために投資しているのであれば、今回の暴落は長期的には大きな問題にならない可能性が高いです。むしろ、安く買える機会と捉えることができるでしょう。
投資目的を再確認することで、感情的に判断するのを防ぎ、冷静な投資行動を続けられます。
新NISA暴落に備えてやっておきたい対策3つ
暴落は予測困難ですが、事前の備えは可能です。以下の3つの対策を講じておけば、次の暴落時も冷静に対応できるようになります。
これらの対策は、投資のリスクを軽減するだけでなく、精神的な安定にも役立ちます。投資をする人は心に留めておきましょう。
余裕資金は確保しておく
暴落時に損切りを強いられる事態を避けるために、充分な生活防衛資金を確保しておくことが重要です。さらに、暴落時に割安な銘柄を購入するチャンスを逃さないですみます。
具体的には、最低でも3〜6ヶ月分の生活費を流動性の高い資産(普通預金など)で持っておくことをおすすめします。この余裕資金があることで、市場の変動に左右されず、長期的な投資戦略を貫くことができるのです。
分散投資をしておく
資産を適切に分散させることで、リスクを軽減できます。一つの資産が下落しても、他の資産でカバーできる可能性があるからです。また、異なる値動きをする資産を組み合わせることで、全体のリターンを安定させられます。
一例として、株式と債券は異なる値動きをすることが根拠として挙げられます。株式60%、債券30%、不動産10%といった具合に資産を配分しておけば、株式市場の暴落時にも債券や不動産で下落を緩和できることがわかるでしょう。
分散投資は、様々な市場環境下で利益を得られる可能性を高め、安定した投資にも一役買います。資産の比率が偏っていないか、改めて自身のポートフォリオを見直しておきましょう。
投資についての学びを深める
投資教育は、市場の変動に対する心理的耐性を高める上で非常に重要です。過去の事例を知ることで、現在の状況を客観的に評価できるようになります。経済の循環を理解すれば、今回のような暴落も恐れることはなくなるでしょう。
具体的には、経済学の基礎や投資理論、過去の金融危機などについて書籍やオンライン講座で学ぶことをおすすめします。知識が増えることで、自分の投資判断に自信を持てるようになり、冷静な判断力も向上するでしょう。
積立NISAは暴落中こそチャンス?逆境が味方になる理由
実は、積立NISAにとって暴落時はむしろチャンスと言えます。ここではその理由を2つ解説します。
下落時はドルコスト平均法の恩恵を受けられる
積立NISAはドルコスト平均法を活用した投資方法です。この方法の最大のメリットは、市場が下落しているときこそ発揮されます。
ドルコスト平均法を表したのが、以下の図です。
一定額を定期的に投資することで、高値の時は少ない数量を、安値の時は多い数量を購入することができ、結果として平均購入価格を抑えられます。投資信託であれば、下落時にはより多くの口数を購入できることになるのです。
暴落時に積み立てをストップしてしまうと、安く買えるチャンスを逃してしまうことになります。冷静に積み立てを続けられるよう、先に紹介した対策を日ごろから講じておきましょう。
割安なときに買い増しできる
暴落時は多くの優良企業の株価も一時的に割安になっています。この機会を活用し、長期的な成長が期待できる銘柄を買い増すことで、将来のリターン向上につながる可能性があります。
ただし、買い増しの際は注意が必要です。余裕資金の範囲内で行い、生活に支障をきたすような無理な買い増しは避けましょう。また、「安いから」という理由だけでなく、企業の財務状況や成長性を十分に確認することが大切です。
暴落時を投資のチャンスと捉え、冷静に判断したうえで追加投資を検討しましょう。
まとめ|新NISAは暴落しても慌てないが鉄則
新NISA制度下での投資において、株価暴落時に最も重要なのは「慌てないこと」です。長期的な視点を持ち、冷静に対応することが成功への近道となります。
そのために、本記事で紹介した対策を日ごろから行っておきましょう。暴落時に冷静な対応ができるだけでなく、むしろ暴落を投資機会として活用できるようになるはずです。
投資は長期的な視点で行うものです。一時的な市場の変動に一喜一憂せず、自分の投資方針を貫くことが、最終的に大きなリターンにつながる可能性が高くなります。
長い目で新NISA制度を活用した投資を継続し、着実に資産形成を進めていきましょう。