日本の株式市場一覧とその特徴とは?株式投資の始め方も解説
目次
株式投資に興味はあるけれど、日本の株式市場の仕組みがわからない。どこから始めればいいのか迷っている方も多いでしょう。
この記事では、日本の主要な証券取引所の特徴と、株式投資の基本的な始め方を詳しく解説します。東証や名証など、それぞれの市場の違いを理解し、自分に合った投資戦略を立てられるようになります。
さらに、口座開設から実際の取引まで、具体的な手順も紹介します。この記事を読めば、株式投資の第一歩を踏み出す自信がつくでしょう。
- 日本の主要な株式市場とその特徴
- 株式投資の具体的な始め方
- 株式投資を行う際の注意点
- 株式投資を始めたい初心者
- 日本の株式市場の違いや特徴を知りたい人
- 株式投資のリスク管理や注意点を学びたい人
そもそも株式市場とは
株式市場は、企業と投資家をつなぐ重要な場所です。ここで企業は資金を集め、投資家は利益を得る機会があります。
株式市場には主に二つの役割があるのです。一つは新しい株式を売る「一次市場」、もう一つは既存の株式を取引する「二次市場」です。この二つが連携し、経済の成長を支えています。
たとえば、新興企業がIPO(新規株式公開)で資金を調達し、その後の株価上昇で投資家も利益を得られるのは、この仕組みのおかげなのです。
一次市場と二次市場
一次市場と二次市場は、それぞれ異なる役割を果たしています。一次市場は、企業が新しく株式を発行して直接お金を集める場所です。ここでは、IPOなどの重要なイベントが行われます。
一方、二次市場は既に発行された株式が投資家同士で売買される場所です。東京証券取引所などがこれにあたります。二次市場があることで、投資家は必要に応じて株を売却できるのです。
つまり、一次市場は企業の資金調達を、二次市場は株式の価値と流動性を支える役割があるのです。
日本の株式市場一覧とその特徴
日本には4つの主要な証券取引所があり、それぞれ独自の特徴を持っています。ここでは、以下4つの主要な証券取引所について詳しく解説します。
- 東京証券取引所(東証)
- 名古屋証券取引所(名証)
- 福岡証券取引所(福証)
- 札幌証券取引所(札証)
東京証券取引所(東証)
市場区分 | プライム市場スタンダード市場グロース市場 |
主な特徴 | 日本最大の取引所幅広い企業が上場2022年に市場再編 |
主な上場企業 | 大企業(プライム)中堅企業(スタンダード) 新興企業(グロース) |
東京証券取引所は、日本最大の証券取引所です。2022年に市場再編が行われ、現在は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つの市場に分かれています。
プライム市場には時価総額の大きな企業が並び、投資の中心となっています。スタンダード市場は中堅企業が多く、成長と安定のバランスが取れた市場です。一方、グロース市場では新興企業が上場し、高成長を狙えます。
東証は日本経済の縮図とも言え、投資家に幅広い選択肢を提供しているのです。
名古屋証券取引所(名証)
市場区分 | プレミア市場メイン市場ネクスト市場 |
主な特徴 | 東海地方中心地域経済と密接 |
主な上場企業 | 地元大企業(プレミア)中堅企業(メイン)成長企業(ネクスト) |
名古屋証券取引所は、東海地方を中心とした企業が多く上場しています。「プレミア」「メイン」「ネクスト」の3つの市場があり、それぞれ企業の規模や成長段階に応じて区分けされています。
プレミア市場は安定した大企業が中心で、メイン市場は中堅企業が多く上場しています。ネクスト市場は成長性の高い企業向けです。名証は地域経済と密接に結びついており、トヨタ自動車などの地元大企業も上場しています。
地域に根ざした投資を考える際には、名証は重要な選択肢となるでしょう。
福岡証券取引所(福証)
市場区分 | 本則市場Q-Board |
主な特徴 | 九州地域の経済発展支援地域密着型 |
主な上場企業 | 安定企業(本則)新興企業(Q-Board) |
福岡証券取引所は、九州地域の経済発展を支える重要な役割を果たしています。「本則市場」と「Q-Board」の2つの市場があり、地域企業の成長をサポートしています。
本則市場には安定した業績の企業が並び、地域経済の中核を担っています。一方、Q-Boardは成長性の高い新興企業向けの市場で、九州発のベンチャー企業が多く上場しています。福証は地域密着型の取引所として、九州経済の活性化に貢献しているのです。
投資家にとっては、九州地域の潜在的な成長力に注目する機会となります。
札幌証券取引所(札証)
市場区分 | アンビシャス市場 |
主な特徴 | 北海道経済支援単一市場 |
主な上場企業 | 北海道の中小企業成長企業 |
札幌証券取引所は、北海道経済を支える重要な存在です。「アンビシャス市場」という単一の市場を持ち、主に北海道を拠点とする中小企業が上場しています。
アンビシャス市場は、成長性の高い企業や新興企業に焦点を当てており、地域経済の活性化に貢献しています。札証は規模を見れば小さいものの、北海道の特色ある企業に投資できる貴重な機会を提供しているのです。
たとえば、観光や食品関連の企業が多く、北海道の強みを生かした投資が可能です。地域に根ざした投資を考える投資家にとって、札証は魅力的な選択肢となるでしょう。
株式投資の始め方
株式投資を始めるには4つの重要なステップがあります。順を追って説明しましょう。
- 証券会社で口座を開設する
- 投資する銘柄を選ぶ
- 投資資金を入金する
- 注文を入れる
1.証券会社で口座を開設する
株式投資の第一歩は、証券会社で口座を開設することです。オンラインで簡単に開設できるネット証券がおすすめです。
たとえば、SBI証券や楽天証券は手数料が安く、初心者に人気があります。口座開設には本人確認書類が必要になります。マイナンバーカードや運転免許証を用意しましょう。オンラインで申し込むと、数日で開設できるのが魅力です。
ただし、未成年の場合は親権者の同意が必要なので注意が必要です。選ぶ証券会社によって特徴が異なるので、比較検討するのもいいでしょう。
2.投資する銘柄を選ぶ
次は、投資する銘柄(企業)を選びます。これは重要な決断なので、慎重に行いましょう。銘柄選びのポイントは、企業の業績や成長性、配当利回りなどです。
Yahoo!ファイナンスなどの無料サイトで情報収集できます。長期保有なら安定した業績の企業、短期売買なら値動きの大きい銘柄が向いています。初心者は有名企業や自分が知っている企業から始めるのもいいでしょう。
ただし、1つの銘柄に集中せず、複数の銘柄に分散投資することでリスクを抑えられます。自分の投資スタイルに合った銘柄を選びましょう。
3.投資資金を入金する
銘柄を決めたら、証券口座に資金を入金します。一般的には、銀行口座から証券口座へ振り込みます。多くの証券会社はインターネットバンキングに対応しているので、簡単に入金できます。入金のタイミングは、相場の状況を見て判断しましょう。
ただし、全財産を投資に回すのは危険です。余裕資金で始めるのが賢明です。また、最低投資金額は証券会社によって異なります。
1株から取引できる「単元未満株」サービスを提供している会社もあるので、少額から始めたい人はそちらを利用するのもいいでしょう。入金後、すぐに取引できる状態になります。
4.注文を入れる
いよいよ株式を購入します。注文方法には主に「指値注文」と「成行注文」があります。指値注文は購入価格を指定する方法で、予算内で購入できるメリットがあります。一方、成行注文は即座に市場価格で約定するので、確実に購入できます。
初心者には指値注文がおすすめです。価格変動のリスクを抑えられるからです。注文時間は、取引所の営業時間内に行います。ただし、前場後場の寄付き(始値)で取引したい場合は、前日や昼休みに注文することもできます。
注文が約定したら、あなたも株主の仲間入りです。投資を始めた後も、継続的に情報収集を行いましょう。
株式投資の注意点
株式投資にはさまざまなリスクがあります。以下の5つの注意点を把握しましょう。
- リスクを理解する
- 余剰資金で投資する
- 分散投資を行う
- 手数料に注意する
- 損切りルールを決めておく
リスクを理解する
株式投資には必ずリスクが伴います。株価は企業業績や経済状況、さらには投資家心理によって大きく変動するのです。
たとえば、好調だった企業が突然の業績悪化で株価暴落することもあります。また、経済危機で市場全体が下落することもあります。このリスクを十分に理解し、受け入れられる範囲で投資することが重要です。
ただし、リスクがあるからこそ、高いリターンの可能性もあるのです。リスクとリターンのバランスを考え、自分に合った投資戦略を立てましょう。
余剰資金で投資する
株式投資は余裕資金で行うべきです。なぜなら、株価が下落したときに生活に支障をきたさないようにするためです。
たとえば、生活費や緊急時の備えは別に確保しておきましょう。投資に回せる金額は、月々の収入から必要経費を引いた後の余剰分を目安にするといいでしょう。
「この金額を失っても生活に影響がない」と思える範囲で投資することが大切です。余裕を持って投資することで、冷静な判断ができ、長期的な視点で運用できます。
分散投資を行う
分散投資は、リスクを軽減する効果的な方法です。一つの銘柄に全資金を投じると、その企業の業績悪化で大きな損失を被る可能性があります。そこで、複数の業種や企業に分散して投資するのです。
たとえば、製造業、IT業、金融業など、異なる業種の企業に投資することで、ある業種が不振でも他の業種でカバーできる可能性が高まります。
また、国内株だけでなく、海外株や債券、不動産投資信託(REIT)など、異なる資産クラスに分散することも効果的です。
手数料に注意する
取引手数料は利益を左右する重要な要素です。頻繁に売買すると、手数料が嵩んで利益を圧迫する可能性があるのです。そこで、手数料の安いネット証券を利用するのが賢明です。
たとえば、大手ネット証券では数百円程度で取引できることもあります。また、取引回数に応じて手数料が割引されるプランを提供している証券会社もあります。
ただし、手数料が安いからといって頻繁に売買するのは避けましょう。長期投資を心がけ、不要な取引を減らすことも手数料削減につながるのです。
損切りルールを決めておく
損切りルールは、大きな損失を防ぐ重要な防衛策です。たとえば、「購入価格から20%下落したら売却する」といったルールを事前に決めておくのです。
なぜなら、人間は損失を嫌う性質があり、「もう少し待てば上がるかも」と判断を先延ばしにしがちであるからです。明確なルールを設けることで、感情に左右されず冷静な判断ができます。
ただし、短期的な変動で慌てて売却するのは避けましょう。企業の本質的価値を見極め、長期的な視点も持つことが大切です。
日本の株式市場一覧とその特徴を知り、株式投資を始めてみよう
株式投資は、適切な知識と準備があれば、誰でも始められます。この記事で学んだ日本の株式市場の特徴を活かし、自分に合った投資先を見つけましょう。
東証、名証、福証、札証、それぞれの市場には魅力があります。まずは少額から始め、徐々に経験を積んでいくのがおすすめです。リスクを理解し、分散投資を心がけることで、長期的な資産形成につながる可能性があります。
投資は自己責任が原則ですが、正しい知識を身につければ、楽しみながら取り組めるはずです。