マイナ保険証は使うべき?メリット・デメリット、作り方を解説
目次
マイナ保険証が普及しているものの、どのようなメリットがあるのかや、利用すべきなのかが分からない人も多いのではないでしょうか。
マイナンバーカードと健康保険証を紐づけて利用するマイナ保険証はメリットが多く、利便性も高いのが特徴です。一方で、注意しなければならない点もいくつか存在するため、仕組みや詳細をよく理解した上で利用する必要があります。
この記事では、マイナ保険証を利用するメリット・デメリット、作り方などについて詳しく解説しています。ぜひ、マイナ保険証を活用して、医療機関の受診をより便利にしていきましょう。
- マイナ保険証の基本知識
- マイナ保険証を利用するメリット
- マイナ保険証のデメリット・注意点
- マイナ保険証の作り方と使い方
- マイナ保険証にはどのようなメリットがあるのか知りたい人
- マイナ保険証を作成するかどうか検討している人
- マイナ保険証が安全かどうか気になっている人
マイナ保険証とは
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を備えたものです。
マイナンバーカードを健康保険証として登録する(紐づける)と、マイナ保険証として使用できるようになります。
使用方法も非常に簡単で、病院や薬局のカードリーダーにマイナ保険証をかざすだけです。日本政府は医療機関の利便性向上を目的として、マイナ保険証を推進する政策を進めています。
マイナ保険証の普及率
マイナ保険証の登録率は令和6年1月時点で、マイナンバーカードを保有している人の77.9%にのぼっています。
普及率が非常に高くなっていますが、実際に利用した経験がある人は令和6年2月時点で、マイナ保険証を持っている4人に1人となっています。
マイナンバーカードを健康保険証として登録している人は約80%と多いものの、実際に利用している人は約25%とそれほど多くはないのが現状です。
2024年12月に健康保険証が廃止になる
現在使用されている健康保険証は、2024年の12月2日に新規発行が終了すると発表されています。とはいえ、現行の健康保険証の発行が終了しても資格確認書が無料で交付されるため、マイナ保険証がなくても現時点では問題ありません。
ただし、今後はマイナ保険証が前提の仕組みになっていくことが予想され、持っていないと不便になる可能性も考えられます。
マイナンバーカードと健康保険証を紐づけるのは危険?
マイナンバーカードを健康保険証(マイナ保険証)として利用するのは、利用者にとってメリットが多いですが、注意が必要なリスクも存在します。
政府が推進しており、強制のように見えますが取得は任意なため、自分で仕組みに納得してから登録、利用するのが良いです。
マイナ保険証のメリットや注意点の詳細については、次の章で詳しく解説します。
マイナ保険証を利用する6つのメリット
マイナ保険証を利用して医療機関を受診するメリットは、主に次の6つです。
- 医療費が安くなる
- 健診や処方箋に関する情報を共有できる
- マイナポータルで医療情報を確認できる
- 保険証の切り替えが簡単になる
- 確定申告での医療費控除が簡単・スムーズになる
- 高額療養費制度での限度額を超える一時的な支払いが不要になる
政府が積極的に推進しているだけあって、メリットが多いです。ぜひ、マイナ保険証の良さを最大限に活用するためにも、役立つポイントを理解しておきましょう。
1.医療費が安くなる
マイナ保険証を使用して医療機関を受診すると、医療費が1回の診療あたり20円安くなります。自己負担が3割の場合は6円、2割の場合は4円の割安です。
非常に小さな金額ですが、紙の健康保険証を使用するよりも医療費が安く抑えられるのが、マイナ保険証を利用するメリットです。
2.健診や処方箋に関する情報を共有できる
マイナ保険証を使用して受付をすると、受診や健診、処方箋に関する情報を医師や薬剤師に共有できるようになります。
過去の医療データを共有することによって、初めての医療機関や薬局を利用する場合でも、スムーズで的確な診察や処方が受けられます。
従来はかかりつけ以外の病院を利用する場合、問診や診察で過去の治療、処方歴を説明する必要がありますが、マイナ保険証があれば不要です。マイナ保険証に履歴が残るため、おくすり手帳を携帯する必要もなくなります。
3.マイナポータルで医療情報を確認できる
マイナ保険証を利用すれば、マイナポータルで医療費や処方の履歴を自分で確認できるようになります。マイナポータルとは、政府が運営している各種行政手続きができるオンラインサービスのことです。
マイナポータルで確認できる医療情報は、次の通りです。
- 医療機関名
- 薬局名
- 受診歴
- 診療年月日
- 診療識別
- 診療行為名
- 調剤行為名
- 特定保険医療材料名
いつ、どこで、どのような診療や処方を受けたのかが一目で分かるのが、マイナ保険証を活用する大きなメリットです。
4.保険証の切り替えが簡単になる
マイナ保険証を利用すると、退職や転職などによる保険証の切り替えが不要になります。
従来の健康保険証を利用している場合は、転職で会社が変わると古い保険証を返却し、新しい保険証を発行してもらう必要がありました。マイナ保険証なら切り替えが不要で、そのまま変わらず使用できます。
ただし、脱退や加入の手続きは従来と同じように必要になるため、注意しておきましょう。
5.確定申告での医療費控除が簡単・スムーズになる
マイナ保険証を利用していれば、確定申告で医療費控除をする際の書類作成や申請が非常に簡単でスムーズになります。マイナ保険証を使用して診察や処方を受けていると、マイナポータルの医療情報をe-tax(電子申告)で自動入力できるためです。
通常、確定申告で医療費控除をするには、全ての領収書を集めて金額を計算し、書類へ記入する必要があります。
ですが、マイナ保険証を利用すれば、受診や処方のデータが保存される上に、申告書類への自動入力にも対応しているため、面倒な作業をおこなう必要がなくなります。特に、医療費控除をおこなう人は、マイナ保険証を使用するメリットが大きいです。
マイナンバーカードを使用して確定申告で医療費控除する方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
6.高額療養費制度での限度額を超える一時的な支払いが不要になる
マイナンバーカードを利用すると、高額療養費制度による限度額以上の一時的な自己負担が不要になります。
高額療養費制度とは、同月内で高額な医療費がかかった場合、限度額を超える金額を払い戻ししてもらえる制度のことです。
通常、高額療養費制度を利用する場合は一度窓口で全額を負担し、あとから保険の加入先に申請して払い戻しを受けます。
一方、マイナ保険証を使用すれば、窓口での支払いを最大で自己負担限度額までにできます。
高額な医療費を一時負担する必要がなくなるのが、マイナ保険証を使用するメリットです。
マイナ保険証のデメリット・注意点3選
メリットが多いマイナ保険証ですが、使用する上で気をつけなければいけない点も存在します。
マイナ保険証のデメリットは、主に次の3つです。
- 対応していない病院や薬局もある
- 紛失した際の情報漏洩リスクが高い
- マイナンバーを紛失すると利用できなくなる
注意点を理解せずにマイナ保険証を使用していると、思わぬトラブルに発展するリスクがあります。リスクを回避して安全に利用するためにも、メリットとデメリットはセットで覚えておきましょう。
1.対応していない病院や薬局もある
マイナ保険証は利用する病院や薬局によって、まれに対応していないところもあります。マイナ保険証のカードリーダー導入率は、病院、診療所、薬局でいずれも約9割以上と非常に高いですが、未導入の医療機関もあるため利用できない場合もあります。
かかりつけや近所の病院、薬局などに、マイナ保険証を読み込むための機械があるかどうか確認してみるのがおすすめです。
た、カードリーダーが導入されていても動作不良で使用できない場合があるため、あらかじめ注意しておきましょう。
2.紛失した際に情報が流出する恐れがある
マイナ保険証は従来の健康保険証よりも多くの個人情報が含まれているため、紛失したときのリスクが非常に大きいです。
健康保険証は医療機関でしか使用しませんが、マイナンバーカードはさまざまな用途があり、身分証明書の役割も担っています。そのため、流出してしまう個人情報が多い上に、悪用される可能性も高いです。
マイナ保険証に切り替える場合は、今まで以上に管理を徹底するようにしましょう。
3.マイナンバーカードを紛失すると使えなくなる
マイナンバーカードを失くしてしまうと、紛失している間はマイナ保険証が使用できなくなってしまいます。マイナンバーカードは再発行に最大で2ヶ月と、かなりの時間がかかるため注意が必要です。
再発行までの間は、通常の健康保険証を使用する必要があります。マイナンバーカードは個人情報が詰まった非常に重要なもののため、絶対に失くさないように注意してください。
マイナ保険証の作り方
マイナ保険証の作り方は非常に簡単で、マイナンバーカードを健康保険証と紐づけるだけです。
登録の手順は次の5ステップです。
- マイナポータルアプリを開く(初回の場合は登録が必要)
- 「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」をタップする
- 利用規約や各説明を確認し、表示に従って進む
- マイナンバー交付時に設定した4桁の暗証番号を入力する
- スマホでマイナンバーカードを読み取る
マイナンバーカードとは違い、簡単な操作だけですぐに申込ができます。
マイナ保険証の使い方
病院や薬局でマイナ保険証を利用する方法も簡単で、手順は次の3ステップだけです。
- カードリーダーにマイナンバーカードをセットする(方法は機械によって異なる)
- 顔認証もしくは暗証番号を入力する
- 薬剤情報の閲覧・特定健診情報の閲覧の同意を選択する
数十秒で簡単に利用できる上にメリットも多いため、注意点を理解した上で活用するのがおすすめです。
まとめ:マイナ保険証は利用するメリットが多い
マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証を紐づけるだけで簡単に利用でき、メリットも多いです。
最後に、マイナ保険証のメリットをあらためておさらいしていきます。
- 医療費が安くなる
- 健診や処方箋に関する情報を共有できる
- マイナポータルで医療情報を確認できる
- 保険証の切り替えが簡単になる
- 確定申告での医療費控除が簡単・スムーズになる
- 高額療養費制度での限度額を超える一時的な支払いが不要になる
注意点をあらかじめ理解した上でマイナ保険証を活用し、医療機関の利用を今までより便利にスムーズにしていきましょう。