徹底比較!個人事業主におすすめの銀行口座8選
目次
「フリーランスになったけど、個人口座と分ける必要はあるの?」
「事業用口座を開設するのにおすすめの銀行を知りたい」
個人事業主として活動を始めた人の多くは、このような疑問を持っていることでしょう。結論、個人事業主にとって事業用口座の開設は必須であり、その選択は事業の効率化と成長に大きく影響します。
本記事では、個人事業主におすすめの銀行口座8社を徹底比較。さらに、事業用口座を個人口座と分ける理由や選び方のポイントも解説します。
この記事を読めば、あなたの事業に最適な銀行口座を見つけ、経理の効率化や事業の信用度アップにつながるでしょう。
- 個人事業主におすすめの銀行口座
- 個人事業主が口座を分けるべき理由
- 個人事業主の銀行口座の選び方
- 個人事業主としてこれからスタートを切る人
- 収支の把握に困っている個人事業主
- お得に銀行口座を活用したい個人事業主
個人事業主におすすめの銀行口座8選
個人事業主の方におすすめの銀行口座8社を、以下の表で比較しました。
銀行名 | 屋号での開設 | 他行あて振込手数料 | 特徴 |
---|---|---|---|
PayPay銀行 | 可 | 160円 | QR決済対応、ビジネスローンあり |
楽天銀行 | 可 | 3万円未満:150円 3万円以上:229円 | ステージ制でサービス充実 |
GMOあおぞらネット銀行 | 可 | 145円 | 法人口座サービスが充実 |
住信SBIネット銀行 | 不可 | 145円(振込優遇プログラム有) | 外貨取引が便利 |
三井住友銀行 | 可 | 3万円未満:165円 3万円以上:330円※ | 法人向けサービスが豊富 |
三菱UFJ銀行 | 可 | 3万円未満:484円 3万円以上:660円※ | 法人向けポータルサイトを提供 |
みずほ銀行 | 可 | 3万円未満:490円 3万円以上:660円※ | 法人向け融資が充実 |
ゆうちょ銀行 | 可 | 165円※ | 全国的なATM網 |
各銀行それぞれ特色があり、事業規模や業種によって最適な選択肢は変わってきます。
例えば、オンラインでの決済が多いならネット銀行が便利ですし、頻繁に現金を扱うならATM網が充実しているメガバンクが適しているでしょう。
業務を円滑に行うためにも、ご自身の事業に合った銀行を選ぶことが重要です。
個人事業主におすすめの銀行口座3選
上記8社の中でも、特に個人事業主におすすめの銀行口座は次の3つです。
これらの銀行は、個人事業主向けの特別なサービスも提供しており、事業の成長をサポートしてくれます。それぞれの特色を詳しく見ていきましょう。
PayPay銀行
特徴 | ・3ステップで簡単に口座開設・3万円以上の入出金はATM手数料無料・Visaカードやビジネスローンも利用可 |
振込手数料 | 他行あて:165円 同行あて:55円 |
ATM出金手数料 | 3万円未満:165円 3万円以上:無料 |
利用可能ATM | セブン銀行、ローソン銀行、三菱UFJ銀行など |
屋号での口座開設 | 可(屋号+個人名) |
個人事業主にとって使い勝手の良い機能を求めるなら「PayPay銀行」がおすすめです。
口座開設はたった3ステップ、もちろんオンラインで完結します。最短当日で、スピーディーな口座開設が可能です。
使えるATMは多く、かつ3万円以上の入出金は手数料がかかりません。カードレスATMの設定をしておけば、キャッシュカードも不要です。
QR決済に対応している点も個人事業主にとって嬉しポイント。例えば、フリーマーケットやイベントでの販売時に現金を持ち歩く必要がなく、スマートフォン1台で決済が完結します。
楽天銀行
特徴 | ・個人事業主向けの豊富な決済サービス・ビジネスデビットカードならキャッシュバックでお得 |
振込手数料 | 他行あて:(3万円未満)150円(3万円以上)229円 同行あて:52円 |
ATM出金手数料 | 220円~275円※ATMにより異なる |
利用可能ATM | セブン銀行、イオン銀行、ゆうちょ銀行など |
屋号での口座開設 | 可(屋号+個人名) |
決済手続きをスムーズに行いたいなら「楽天銀行」がおすすめ。
顧客へリンクを送ることで請求ができる「楽天銀行かんたん決済サービス」や、メールで振込可能な「かんたん振込(メルマネ)」など、個人事業主にとって便利な決済サービスが充実しています。
さらに、ビジネス用デビットカードも発行可能です。利用額の1%がキャッシュバックされるので、事業の経費削減にもつながります。
さらに、Visaカードやビジネスローンも利用できるので、急きょ資金が必要になった際でも安心です。
三井住友銀行
特徴 | ・メガバンクの中では簡単に口座開設が可能 ・インターネットバンキングや外国送金など豊富な法人向けサービス |
振込手数料 | 3万円未満:165円 3万円以上:330円※インターネットバンキング利用時 |
ATM出金手数料 | 平日時間内:無料 平日時間外・土日:110円 ※三井住友銀行のATM利用時 |
利用可能ATM | 三井住友銀行ATM、セブン銀行、 イーネット、ローソン銀行 |
屋号での口座開設 | 可(屋号+個人名) |
スムーズに口座開設を行いたい事業主におすすめなのが「三井住友銀行」。
三井住友銀行は法人口座開設の難易度が低く、また必要書類も少ないため、メガバンクの中では口座を開設しやすいことで知られています。
条件が合えばWEBで口座開設手続きを完結できますが、屋号付きの個人事業主口座の場合は来店が必要なのでご注意ください。
法人向けサービスが豊富なのも魅力の一つ。例えば外貨送金は低い手数料でフレキシブルに手続きが可能。インターネットバンキングの使いやすさにも定評があります。
個人名義の銀行口座と分けるべき理由3つ
個人名義と同じ口座を使えば手続きは簡単ですが、事業用の口座を別に持つことには大きなメリットがあります。理由は次の3つです。
次から詳しく見ていきましょう。
事業の信用度が増す
事業用口座を持つことは、取引先に対する信用度を高める効果があります。
見積書や請求書に事業用口座の情報を記載することで、より公式で信頼できる印象を与えられるでしょう。
これは特に新規顧客との取引開始時に有効で、「きちんとした事業者」という認識を持ってもらいやすくなります。
キャッシュフローがわかりやすくなる
事業用口座を個人用と分けることで、事業のキャッシュフローが明確になります。
事業に無関係な収支が入り込んでしまうと、事業の収支だけを取り出す作業に時間がかかってしまいます。しかし口座を分けておけば、事業用口座を確認するだけでその月の事業収支が一目でわかり、業務の効率化につながるのです。
手間を省くだけでなく、資金繰りを把握しやすくなることで事業計画を効果的に立てられるメリットもあります。
帳簿をつけやすくなる
事業用口座を開設することで、帳簿の作成も効率化できます。
事業用口座の取引履歴をそのまま会計ソフトに取り込むことができると、手入力しなくてもよくなり、時間も手間も大きく削減することが可能です。
また、税理士への相談もスムーズになります。事業用の取引のみが記録された通帳やデータを提出できるので、税理士側も迅速かつ正確に財務状況がわかるようになるでしょう。
より適切な税務アドバイスを受けられ、確定申告の際のミスも減らすことにつながるのです。
個人事業主の銀行口座の選び方
個人事業主が銀行口座を選ぶ際のポイントは次の3つです。
ご自身の事業内容にマッチした銀行を選べるよう、これらのポイントを押さえておきましょう。
手数料が安いか
振込手数料などのコストを抑えられる銀行を選ぶことで、経費を削減できます。
例えば、月に50回の振込が必要な事業の場合、1回あたり100円の手数料差があれば、年間で6万円のコスト差が生じます。これは小規模事業主にとって無視できない金額です。
ネット銀行は一般的に振込手数料が安く、中には一定の条件を満たせば手数料が無料になるサービスもあります。ご自身の取引頻度を考慮し、最適な銀行を選びましょう。
屋号名義で開設できるか
信用を得る目的で口座を開設するなら、屋号付き名義での開設が可能かどうかは重要なポイントです。
例えば「田中太郎」という個人名義の口座よりも、「Webデザイン工房 田中太郎」という屋号付きの口座の方が、取引先に対して事業者としての印象を与えやすくなります。
ただし、一部の銀行では屋号での開設ができないケースもあるので注意が必要です。開設前に必ず確認しましょう。
サービスは充実しているか
法人向けサービスの充実度も、銀行選びに際し重要な基準となります。
法人向けインターネットバンキングは多くの銀行で用意されていますが、使い勝手の良さは銀行によって大きく異なります。事業をスムーズに行うためにも、操作性の良さは注目しておきましょう。
クレジットカード決済が多い事業なら、決済手数料の優遇があるサービスを選ぶことで、年間数万円単位のコスト削減につながります。
また、将来的な事業拡大を見据えて、融資サービスが充実している銀行を選ぶのも一案です。突発的な資金需要に対応できる与信枠があれば、事業の成長機会を逃さずに済みます。
個人事業主が口座開設をするのに必要なもの
個人事業主が事業用口座を開設する際に必要な書類と手続きをご紹介します。
ただし、これらはあくまで一般的な書類・手続きであり、銀行によって異なることにはご注意下さい。
必要な書類
代表的な必要書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 個人事業主であることの確認書類(開業届、廃業届、確定申告書、青色申告承認書など)
- 屋号を使用していることの確認書類(屋号の入った請求書や領収書など)
- 印鑑(銀行印として使用するもの)
ただし、銀行や事業内容等によって必要なものは変わってきますので、事前に銀行へ問い合わせするようにしましょう。
必要な手続き
メガバンク系の銀行では、基本的に来店での手続きが必要です。一方、ネットバンクの多くは、オンラインで手続きが完結します。
オンラインでの手続きは、平日の営業時間外や休日でも行えるため、忙しい個人事業主にとっては大きなメリットとなります。
まとめ|個人事業主の銀行口座は目的に応じて選ぼう
個人事業主にとって、適切な銀行口座を選ぶことは、事業の効率化と成長に直結します。
各銀行にはそれぞれ特色があり、事業の内容や規模、将来的な展望によってマッチした銀行は異なるものです。
例えば、オンライン決済が多い事業ならPayPay銀行や楽天銀行のようなネット銀行が便利です。一方、頻繁に現金を扱う事業や、将来的に法人化を考えている場合は、三井住友銀行などのメガバンクが適していることが多いでしょう。
自身の事業内容をよく分析し、手数料、屋号での開設可否、サービスの充実度などを総合的に判断して、最適な銀行口座を選んでください。
個人事業主の銀行口座開設でよくある質問
Q.個人事業主は銀行口座をいくつ開くべきですか?
A. 一般的に2〜3口座あると便利です。例えば、入金用、支払い用、貯蓄用などと使い分けることで、より効率的な資金管理が可能になります。
具体的には、以下のような使い分けが考えられます。
- 売上入金用口座
- 経費支払い用口座
- 貯蓄・税金準備用口座
口座が多すぎると却って管理が煩雑になるため、自身の事業規模や取引量に応じて適切な数を選びましょう。
Q.屋号のみの口座は作れますか?
A.通常、屋号のみの口座は作れません。銀行口座は基本的に、屋号+個人名での開設となります。
例えば「Webデザイン工房」という屋号で活動している田中太郎さんの場合、口座名義は「Webデザイン工房 田中太郎」となります。
これは、個人事業主は法律上は個人と事業が分離されていないため、完全に屋号だけの口座は認められていないという理由からです。また、個人名を含めることで本人確認の要件を満たすという意図もあります。
将来的に完全な屋号のみの口座が必要になった場合は、法人化を検討する必要があるでしょう。法人であれば、会社名のみでの口座開設が可能となります。