円高と円安はどっちがいい?影響やメリット・デメリットを解説

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円高と円安にはどのような影響があり、どっちが良いのか難しくていまいち理解できていない人も多いのではないでしょうか。
結論、円高と円安のどっちが良いかは、状況によって大きく異なります。
企業の場合は業種、個人の場合は保有している資産の種類などで、円高・円安の良し悪しが決まることが多いです。

この記事では、円高と円安の意味や仕組み、メリット・デメリットについて詳しく解説しています。
ぜひ、円高・円安の違いや良し悪しを理解して、どっちが自分にとってメリットがあるかを判断しましょう。

この記事でわかること
  • 円高と円安の仕組み
  • 円高と円安はどっちがいいのか
  • 円高のメリット デメリット
  • 円安のメリット デメリット
  • 円安時の対策
こんな人におすすめの記事です
  • 円高と円安の違いや仕組みが分からない人
  • 投資や生活においてどのような影響があるのか知りたい人
  • 円安のときの対策を知りたい人 など

円高・円安とは?

円高・円安とは?

「円高」「円安」とよく聞くものの、仕組みや影響がいまいち分からない人にも分かるように、次の3点について解説します。

  • 円高とは
  • 円安とは
  • 円高・円安の簡単な覚え方

円高・円安の意味や動きなどが分かれば、社会への影響についても簡単に理解できるようになるため、この機会に正しく覚えておきましょう。

円高とは?

円高とは、外国通貨の価値と比べて日本円の価値が高くなることを指します。

アメリカの米ドルでいうと、1ドル150円だったのが、1ドル130円のように日本円の金額が下がる状態が円高です。米ドルと比較して、日本円の価値が上がることを「円高・ドル安」と呼びます。

「1ドルと同等になる日本円の金額が少なくなる=円の価値が高くなっている」
円高

円高は、一般的に日本に与えるメリットが大きいとされており、景気が良いときに見られる場合が多いです。円高のメリットについては、後ほど詳しく解説していきます。

円安とは?

円安とは、外国通貨の価値と比べて日本円の価値が安くなることを指します。

アメリカの米ドルでいうと、1ドル150円だったのが、1ドル180円のように日本円の金額が上がる状態が円高です。米ドルと比較して、日本円の価値が下がることを「円安・ドル高」と呼びます。

「1ドルと同等になる日本円の金額が高くなる=円の価値が落ちている」
円安

円安は、日本人にとってデメリットとなる要素が大きく、現代のように不景気でよく見られる現象です。円安のメリットについても、後ほど詳しく解説していきます。

円高・円安の簡単な覚え方

円高・円安の覚え方は非常に簡単で、次のように覚えるのがおすすめです。

  • 外国通貨と対価(=)となる日本円の金額が減った場合は円高増えた場合は円安

ここでも米ドルを例にして、1ドル150円が基準だったと仮定します。

150円が140円に減った場合、1ドルと同じ価値になる金額が減っているため、円の価値が上がっているということになり、この状態は円高です。

一方、150円が160円に増えた場合、1ドルと同じ価値にするために必要な金額が増えたということなため、円の価値が下がっていることになり、この状態は円安です。

円の金額が安くなったら円高、高くなったら円安、金額とは逆になっていると覚えましょう。

日本では円高と円安のどっちがいい?

円高と円安のどちらがいいかは状況によって異なるため、一概には言えません。
ですが、日本では円高では恩恵があり、円安は負担を強いられる場合が多いです。

  • 円高の方がメリットは多いが、長期化すると経済が停滞する
  • 円安はあらゆるものが値上げになり、資産価値も低下する

円高・円安それぞれの影響については、次の章で詳しく解説します。

円高のメリット

円高のメリットは、主に次の2つです。

  • 海外品が安くなり、輸入業が有利になる
  • 海外旅行にかかる費用が安くなる

円高は、日本の生活に好影響を与える良い働きをする場合が多いことを理解しておきましょう。

海外品が安くなり、輸入業が有利になる

円高は、海外通貨に対して日本円の価値が高くなるため、海外産の製品を安く輸入できるようになります。

個人だと、iPhoneやMacbookのような国外製品の価格が安くなり、手軽に購入しやすくなるのがメリットです。海外から原材料を輸入している企業は、仕入コストを削減できます。

これにより、原材料を輸入している企業の業績アップが期待できるため、日本株式においてもメリットがあります。

海外旅行にかかる費用が安くなる

円高によって円の価値が上がると、海外旅行にかかる費用が抑えられるメリットがあります。
海外通貨よりも、日本円の価値の方が高くなるためです。

そのため、円高時には日本からの海外旅行客が増える傾向が強くなります。円高によって、旅行会社や航空会社は業績が伸びるため、株価の上昇が期待できます。

円高のデメリット

円高は日本にとってメリットが多い一方で、次のようなデメリットも存在します。

  • 海外資産の価値が下がる
  • 輸出業が不利になる

円高によってリスクが高まる業界もあるため、必ずメリットとセットで覚えておく必要があります。

海外資産の価値が下がる

円高で日本円の価値が上がると、反比例するように海外通貨の価値は下がります。海外資産がある場合や外国株に投資をしている場合は、為替相場によってマイナス(為替差損)になる恐れがあるため注意が必要です。

円高は日本国内に与えるメリットは大きいものの、海外に対しては不利に働きやすいです。一方、海外資産を安く購入できるのは、円高ならではのメリットと言えます。

輸出業が不利になる

円高になると輸入業は安く仕入ができ、事業が有利になる一方で、輸出業は海外での販売価格が高騰するため不利になります。

輸出を手がける商社や自動車産業などは、海外市場をターゲットとしているため、業績が悪化するリスクがあり、株価にも大きく影響します。

輸出に関係する企業や、海外市場に参入している企業などに投資する場合は、円高に注意が必要です。

円安のメリット

円高と相反する影響がある円安には、次のようなメリットがあります。

  • 外国資産の価値が上がる
  • 輸出業が有利になる

円高で不利だった部分は、円安では一転して有利になるのが特徴です。
メリットが対になることを押さえておきましょう。

外国資産の価値が上がる

円安では海外通貨の価値が上がり、日本円の価値が下がるため、海外資産の価値が高まります。
海外通貨を保有している場合や海外株に投資している場合は、円安がメリットとなります。

一方、円安で海外資産を購入するのは、日本円の価値が下がっているため注意が必要です。

輸出業が有利になる

円安の場合は円の価値が下がるため、製品の価格が下がる日本の輸出業が有利になります。
世界に向けて輸出をおこなっている総合商社や、自動車業界などが円安の恩恵を受けやすいです。

円の価値が下がり、日本の製品価格が安くなるため、海外で製品が売れやすくなります。
日本製品買いが活発になるのも、円安に多く見られる動きです。
これにより、輸出業の業績アップが見込めるようになり、株価にも好影響が期待できます。

円安のデメリット

円安になったときのデメリットは、主に次の2つです。

  • 輸入品や海外旅行の価格が高騰する
  • 値上げラッシュが起きる

現在の日本社会は円安の影響を大きく受けているため、現状と照らし合わせながら覚えるのがおすすめです。

輸入品や海外旅行の価格が高騰する

円安では、海外通貨よりも日本円の価値が下がるため、輸入品や海外旅行の価格が高騰するデメリットがあります。

日本円よりも海外通貨の価値の方が高い状態となる影響で、日本から海外を対象とした取引は全体的に不利です。

輸出業や旅行会社、航空会社などは円安によって業績が悪化するリスクがあるため、投資をする際は十分注意しましょう。

値上げラッシュが起きる

日本では食品やインフラなど、多くの海外製品に依存しているため、円安が進むとあらゆる業界で値上げラッシュが起きます。

小麦や野菜などの食品から、ガスや電気などのエネルギー燃料まで、円安に影響を受けて値上がりするものは非常に多いです。

実際に円安が進んでいる現状で、値上げを実感している人も多いと思います。
輸入品が原材料になっている製品は円安が起こると、値上げせざるを得ないのがデメリットです。

円安には注意が必要

円安には注意が必要

円高と円安はそれぞれメリットとデメリットがありますが、特に日本人が注意すべきなのは円安です。

円安は、日本国内に与える悪影響が大きいため、経済状況が悪化する前に個々で対策を講じる必要があります。円安時に有効なおすすめの対策については、次の章で詳しく解説します。

円安対策に有効な方法2選

日本にマイナスの影響を与えることが多い円安ですが、個人で対策ができます。
円安時に効果的なおすすめの対策は、次の2つです。

  1. 外貨建て資産(海外株・つみたてNISAなど)
  2. 外貨預金

少額からでも始められるため、年々深刻になっている円安への対策をおこないましょう。

1.外貨建て資産(海外株・つみたてNISAなど)

円安に備えた対策として有効なのが、外貨建てで海外の金融資産を保有する方法です。
外貨建ての金融資産には、次のような選択肢があります。

  • 海外株式
  • 投資信託 など

円安では日本円の価値が下がり、海外通貨の価値が上がるため、外貨建てで資産を保有しておけば、為替相場によって利益が得られます。投資信託をする場合は、政府が推奨しているつみたてNISAを活用するのもおすすめです。

円安では海外資産の価値が高騰してしまうため、円安になる前に購入するのがベストです。

2.外貨預金

外貨預金も外貨建て資産と同様に、為替相場の円安により利益(為替差益)を得られるためおすすめです。コツコツと長期的に資産形成をしたい人は、外貨積立を活用するのも良いでしょう。

ただし、外貨預金は両替時に手数料が発生する点について、あらかじめ理解しておく必要があります。

円安対策だけに偏ってしまうとリスクが高くなってしまうため、バランスよく資産を保有してリスクを分散するのがおすすめです。

まとめ:円高と円安のどっちがいいかは状況によって異なる

円高と円安にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、状況によってどっちが良いかは異なります。ですが、一般的に円高の方が日本人にとってメリットが多いと覚えておくと良いでしょう。

最後に、円高・円安の意味と覚え方について、あらためておさらいしていきます。

  • 円高:外国通貨の価値と比べて日本円の価値が高くなること
  • 円安:外国通貨の価値と比べて日本円の価値が安くなること
  • 外国通貨と対価(=)となる金額が減った場合は円高、増えた場合は円安

投資や消費をおこなう際は、円高・円安の影響を考えながらおこないましょう。

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