米国株高配当ETFのメリットとおすすめの銘柄ランキングを解説
目次
米国株投資ではETFが良いと聞いたものの、どのようなメリットがあるのかや、どの銘柄を選べばいいのかがわからない人も多いのではないでしょうか。
米国株ETFは初心者でも簡単に投資ができ、高配当が得られるのが特徴です。利回りが良く、運用コストも低いため、多くの投資家が投資をしています。
この記事では、米国株高配当ETFのメリット・デメリットや銘柄の選び方、おすすめの人気銘柄などについて解説しています。
記事の解説を参考にしてETFについて理解し、さっそく米国株投資を始めましょう。
- 米国株ETFの基本知識
- 米国株ETFのメリット・デメリット
- 米国株ETFでおすすめの人気銘柄
- 米国株ETFの銘柄を選ぶときのポイント
- 米国株ETFを始めるのにおすすめの証券会社 など
- 米国株ETFに興味がある人
- これから米国株ETFに投資しようと思っている人
- 米国株ETFでどの銘柄を購入すればいいか決められない人 など
米国株高配当ETFとは?初心者にはおすすめしない?
ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、上場投資信託という意味があります。米国株高配当ETFとは、アメリカに高配当銘柄に絞ったETFということになります。
リアルタイムで購入でき、一つの銘柄で幅広い企業に分散投資できるのが米国高配当ETFの特徴です。投資の中では、個別株投資と投資信託の中間のような位置づけです。
分散投資によりリスクヘッジができ、運用コストも安く抑えられていることから、初心者でも手軽に始められます。ETFは、政府が推奨しているNISAでも利用可能です。
米国株高配当ETFのメリット4選
米国株高配当ETFには、主に次の4つのメリットがあります。
- 配当金の利回りが高い
- 分散投資ができる
- 手数料が安い
- 値動きが小さく購入しやすい
ETFならではのメリットをよく理解した上で、米国株投資を始めましょう。
1.配当金の利回りが高い
高配当ETFは配当金に特化しているため、高い利回りが期待できるのがメリットです。米国株では年4回の配当があり、銘柄を保有していれば定期的に収入が得られる仕組みになっています。
ただし、ETFでは企業や業績によって配当金が増減するため、銘柄選びが非常に重要です。ETFの銘柄選びのポイントについては、後ほど詳しく解説します。
2.分散投資ができる
米国株高配当ETFでは幅広い銘柄に投資できるため、分散投資によるリスクヘッジ効果があります。通常の米国株投資の場合は、企業の業績が落ちれば株価も下がってしまうのが難点です。
一方、ETFなら複数の銘柄に一度で投資できるため、下落のリスクを抑えられます。個別株のようなリスクを取った資産運用が苦手な人は、手軽に投資できるETFがおすすめです。
3.手数料が安い
米国株高配当ETFは自分で直接市場から銘柄を購入できるため、手数料を安く抑えられるのがメリットです。
ETFと似ている投資信託では信託会社に手数料を支払う必要があるため、運用コストが若干割高になります。投資信託とは、投資のプロ(ファンド)が代わりに購入や運用をしてくれる投資方法のことです。
ETFの手数料は銘柄によって異なりますが、投資信託の1/3程度に抑えられています。自分で投資の勉強をして、手数料を少しでも安く抑えたい人はETFがおすすめです。
4.値動きが小さく購入しやすい
米国株高配当ETFは値動きの幅が比較的小さいため、初心者でも手軽に購入しやすいです。通常の個別株は株価が急変動するリスクがあり、取引が難しい傾向があります。
一方、ETFはS&P500など、特定の指数と連動して動くため、それほど大きくは高騰・下落しないのが特徴です。また、市場の取引時間中であれば、リアルタイムでの購入ができます。
米国株高配当ETFの銘柄を選ぶときのポイント4選
米国株ETFでリスクを抑えて高配当を得るには、次の4つのポイントに沿って銘柄を選ぶのがおすすめです。
- 自分の投資目的に合っているか
- 運用コストが低いか(経費率)
- 取引がしやすいか(流動率)
- 過去の値動きや分配金が安定しているか
ぜひ、選び方のポイントを理解した上で、自分に合った銘柄を選びましょう。
1.自分の投資目的に合っているか
米国株高配当ETFでは、自分の価値観や投資目的に適したスタンスの銘柄を選ぶのがおすすめです。
ETFには高配当に特化したアクティブ型や、主要株価指数と連動するものまでさまざまな銘柄が存在します。値動きが大きい銘柄は期待できる利益が大きいですが、損失のリスクも大きいです。
一方、値動きが安定しているものは大きな利益は見込めませんが、暴落するリスクも低いです。リスクを取って運用するのか、リスクを避けて運用するのかなど、自分のニーズに合った銘柄を選ぶのが良いでしょう。
2.運用コストが低いか(経費率)
米国株高配当ETFでは、運用コストが低く抑えられていて安く運用できる銘柄を選びましょう。運用コストの高低を判断するのには、経費率に注目するのがおすすめです。
経費率とは、銘柄を保有している間に運用会社へ支払われる費用が純資産総額に対して、どれくらいの割合を占めているかを表す指標です。
ETFでは経費率が低いほど、低コストで運用ができます。一般的には、経費率が0.1%以下の銘柄を選ぶと良いでしょう。経費率が安く、利回りが良いおすすめの銘柄については、後ほど詳しく紹介します。
3.取引がしやすいか(流動率)
米国株高配当ETFを購入するなら、取引がしやすい銘柄を選ぶのがおすすめです。取引がしやすいとは流動性が高く、比較的簡単に取引ができることを指します。
流動性が低い銘柄だと、売買時に希望額でなかなか約定しないリスクがあります。銘柄の流動性が高いか低いかを見極めるには、銘柄の出来高をチェックすると良いです。
- 出来高が多い=取引(約定)しやすい
- 出来高が少ない=取引(約定)しづらい
多くの投資家に取引されている、売り買いしやすい流動性の高い銘柄を選びましょう。
4.過去の値動きや分配金が安定しているか
米国株高配当ETFでは、過去数年間の値動きや配当金が安定している銘柄を選ぶのがおすすめです。過去数年間で暴落や減配などがあると、今後も不安定な運用になるリスクがあります。
各銘柄のページには、株価の値動きや配当の実績などが記載されているため、購入前に必ず確認しておきましょう。
右肩上がりに成長していて、安定した配当を出している信頼性の高い銘柄を選ぶことが、ETFを購入する際のポイントです。
米国株高配当ETFの人気銘柄ランキングTOP3
選び方のポイントはわかったものの、どの銘柄を購入すればいいのか決められない人は、次の選択肢を参考にしてみるとよいでしょう。
- SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)
- バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
- バンガードS&P500 ETF(VOO)
いずれも経費率が低く、利回りも安定している人気の銘柄なため、初めて米国株ETFを購入する場合は上記の銘柄をチェックしてみてください。
1.SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)は、米国企業の代表的な株価指数である「S&P500」に連動する銘柄です。
直近の配当や1年リターンが高く、経費率も低く抑えられているため、多くの投資家に購入されています。
構成銘柄 | 80種類 |
経費率 | 0.07% |
直近配当利回り | 4.35% |
1年トータルリターン | 27.92% |
3年トータルリターン | 8.86% |
5年トータルリターン | 7.95% |
【上位10銘柄】
- ケラノバ
- ケンビュー
- ベンタス
- パブリック・ストレージ
- リージェンシー・センターズ
- ミッド・アメリカ・アパートメント・コミュニティーズ
- IBM
- WECエナジー・グループ
- クラウン・キャッスル
- BXP
※2024年9月12日時点
2.バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)は、バンガード社が提供している人気のETF銘柄です。
利回りが高く、高配当が期待できる上に構成銘柄も400種類以上と多いため、分散投資によるリスクヘッジができます。
構成銘柄 | 約440種類 |
経費率 | 0.06% |
直近配当利回り | 3.30% |
1年トータルリターン | 19.62% |
3年トータルリターン | 8.93% |
5年トータルリターン | 10.20% |
【上位10銘柄】
- ブロードコム
- JPモルガン・チェース
- エクソン・モービル
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- プロクター・アンド・ギャンブル
- ホーム・デポ
- アッヴィ
- ウォルマート
- メルク
- バンク・オブ・アメリカ
※2024年9月12日時点
3.バンガードS&P500 ETF(VOO)
バンガードS&P500 ETF(VOO)も、米国企業の代表的な株価指数「S&P500」に連動する銘柄です。
経費率が非常に低く、リターンも安定しており、初心者でも購入しやすいのが特徴です。
500種類以上の銘柄で構成されているため、分散投資によるリスクヘッジ効果が期待できます。
構成銘柄 | 505種類 |
経費率 | 0.03% |
直近配当利回り | 1.40% |
1年トータルリターン | 25.47% |
3年トータルリターン | 9.19% |
5年トータルリターン | 14.87% |
【上位10銘柄】
- アップル
- マイクロソフト
- エヌビディア
- アマゾン・ドット・コム
- メタ・プラットフォームズ
- アルファベット
- アルファベット
- バークシャー・ハサウェイ
- ブロードコム
- テスラ
※2024年9月12日時点
米国株高配当ETFを始めるのにおすすめの証券会社
米国株高配当ETFを始めるときは手数料が安く、取り扱い銘柄が豊富な使い勝手の良い証券会社を選びましょう。
特におすすめなのが、次の証券会社です。
- moomoo証券
- ウィブル証券
- マネックス証券
- SBI証券
- 楽天証券
証券会社の詳細や選び方・開設のポイントなどを知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
米国株高配当ETFのデメリット3選
米国株ETFは初心者でも手軽に始められ、高配当を得られますが、次のようなデメリットも存在します。
- 配当金に二重課税が発生する
- 運用益は期待できない
- 分配金を自動で再投資できない
必ずメリットだけでなく、デメリットも十分に理解した上で投資をおこないましょう。
1.配当金に二重課税が発生する
米国株高配当ETFでは、分配金が日本とアメリカで二重に課税されるため注意が必要です。具体的には、分配金に対して次の税率が課税されます。
- アメリカ→10%
- 日本→20.315%
配当金が高くても二重で課税されると、受け取れる金額が少なくなってしまいます。米国株高配当ETFに投資をする際は、二重課税について理解した上でおこないましょう。
アメリカで課税された分は、確定申告での外国税控除の対象となるため、控除を活用するのがおすすめです。
2.運用益は期待できない
米国株高配当ETFは安定した配当金が得られる分、株価の値上がりによる運用益はそれほど期待できません。
大手企業が多く、すでに株価が成長しているため、大幅な成長が見込みにくいためです。安定して推移していることから、リスクを抑えた長期投資ができるのはメリットです。
運用益を重視する場合は、ETF以外の投資方法を検討しましょう。
3.分配金を自動で再投資できない
米国株高配当ETFでは配当金が再投資されないため、自分で再び銘柄を買い付ける必要があります。
通常の投資信託では配当金が自動的に再投資されますが、ETFでは配当の仕組みが異なることを理解しておきましょう。
まとめ:米国株高配当ETFは利回りが高く手数料が安い投資方法
米国株高配当ETFは、これから初めて投資を始める人でも簡単にできる投資方法です。ETFの銘柄はNISAでも取り扱いがあるため、投資初心者の人はNISAで投資をするのがおすすめです。
最後に、米国株ETFの銘柄選びのポイントをあらためておさらいしていきます。
- 自分の投資目的に合っているか
- 運用コストが低いか(経費率)
- 取引がしやすいか(流動率)
- 過去の値動きや分配金が安定しているか
選び方のポイントやメリット・デメリットを理解して、自分に合った銘柄を選んで投資を始めましょう。