投資・資産形成

新NISAはデメリットしかない?改悪の真偽とメリットも解説

新NISAはデメリットしかない?改悪の真偽とメリットも解説
DoFor

「新NISAはデメリットしかないって聞いたけど本当?」
「新NISAを利用すればどんな良いことがあるの?」

本記事ではこのような悩みを解決します。

新NISAは2024年から始まった個人の税制優遇制度です。

この記事を読めば「新NISAはデメリットしかない?」などの改悪の真偽や新NISAのメリットがわかり、新NISAを安心して使えるようになります。

この記事でわかること
  • 旧NISAと新NISAの違い
  • 「新NISAはデメリットしかない」は本当か?
  • 新NISAのメリット・デメリット
こんな人におすすめの記事です
  • 新NISAの利用を検討している投資初心者
  • 旧NISAと新NISAの違いがわからない方
  • 新NISAを利用して資産を増やしたい方

新NISAとは?概要を解説

新NISAとは?概要を解説

本章では新NISAの概要を以下の3つの観点で解説します。

  • そもそもNISA制度ってなに?
  • 新NISAはいつから始まった?
  • 新NISAで改悪されたポイントは?

まずは、新NISAの全体像をつかみましょう!

そもそもNISA制度ってなに?

NISA制度は個人の資産形成に有効な国の税制優遇制度です。
具体的には、株式や投資信託などを非課税投資枠のNISA口座で運用することで、得られた利益が非課税になります。

投資信託とは?
投資家からお金を集め、専門家が選定した株式などで運用する商品

旧NISAには以下の3つがありました。

年間非課税枠非課税期間できること
つみたてNISA40万円20年少額・長期で積立
一般NISA120万円5年短期〜長期の運用
ジュニアNISA80万円5年子供の資産形成

※引用元:金融庁HP「NISAとは?」

以下では、新たに始まった新NISAについて解説します。

新NISAはいつから始まった?

新NISAは2024年1月に開始されました。具体的には、旧NISAから以下のように改正されています。

  • つみたてNISA・一般NISA⇒つみたて投資枠・成長投資枠への変更
  • つみたて投資枠・成長投資枠の併用可
  • 投資枠上限の拡大
  • 非課税保有期間の無期限化
つみたて投資枠成長投資枠
年間非課税枠120万円240万円

非課税保有限度額
1,800万円
つみたて投資枠のみで非課税保有限度額1,800万円を使い切ることが可能1,200万円(内数)
非課税運用期間無期限無期限
口座開設期間恒久化恒久化
口座開設できる人18歳以上18歳以上
投資方法積立一括・積立
対象商品金融庁の基準を満たした投資信託など株式・投資信託など

※引用元:金融庁HP「新しいNISA」

ポイントは、「つみたて投資枠・成長投資枠の併用可」と「非課税保有期限の無期限化」の2点です。

これらの変更により、旧NISAよりも幅広い世代に浸透してきており、2024年から投資を始める方が急増しています。

新NISAで改悪されたポイントは?

新NISAで改悪されたポイントは、旧NISAで対象となっていた一部の商品が新NISAでは対象外となったことです。

新NISAで対象外となった商品
一部投資信託など(信託期間が20年未満、デリバティブ取引、毎月分散型)
・監理銘柄・整理銘柄

例えば、「レバナス」と呼ばれるNASDAQ100指数のレバレッジ商品などが該当します。

レバレッジとは?
少額の資金を用いて多額の資金を動かすこと。レバレッジ2倍であれば、2倍の利益が出た場合に4倍の利益となる。

新NISAは旧NISAから改悪された内容があるものの投資枠の上限拡大といった改良点も多く、すべての投資家にとって改悪になったとは限りません

新NISAのメリット

新NISAのメリットは次の4つです。

  • 運用利益に対して税金がかからない
  • 年間360万円の枠あり
  • 成長投資枠とつみたて投資枠を併用可
  • 売買手数料を無料にできる

以下を読むことで新NISAを最大限に活用でき、「新NISAはデメリットしかない」は勘違いだと理解できます。

運用利益に対して税金がかからない

新NISAのメリット1つ目は、運用利益に対して税金がかからないことです。

投資の利益には通常20.315%の税金がかかりますが、新NISAでは非課税となります。

また、旧NISAでは非課税期間に制限がありましたが、新NISAでは非課税期間が無期限となったのも大きなポイントです。

年間360万円の枠あり

新NISAのメリット2つ目は、1人あたり年間360万円の年間非課税枠があることです。

新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠の2つがあり、以下のように年間非課税枠が設定されています。

新NISAの種類年間非課税枠
つみたて投資枠120万円
成長投資枠240万円
合 計360万円

投資では運用資金が多いほど得られる利益が多くなるため、月平均で30万円を投資で運用できるのは大きなメリットです。

成長投資枠とつみたて投資枠を併用可

新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができます。

旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか選べませんでしたが、新NISAでの改正で改良されました。

成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になると、「成長投資枠でまとまったお金を一気に株式投資」「つみたて投資枠でコツコツ投資信託の積立」といった使い分けができ、運用の幅が広がっていきます。

売買手数料を無料にできる

証券会社によっては、国内株式や投資信託を新NISA口座で売買する際の手数料を無料にできるのも魅力です。

例えば、証券会社の大手であるSBI証券楽天証券では、国内株式の売買手数料が無料になります。

投資初心者は、売買手数料が無料の大手証券会社を活用しましょう。

新NISAのデメリット

新NISAのデメリット

新NISAのデメリットは次の4つです。

  • 元本割れするリスクがある
  • 特定口座と損益通算ができない
  • 旧NISAで対象だった一部商品が投資不可
  • 運用資金がないと有効活用できない

デメリットも把握することで、新NISAを利用する際に失敗するリスクを減らせます。

元本割れするリスクがある

NISA口座の運用に限らず、投資では元本割れするリスクがあります。

長期的な投資信託の積立は堅実な投資と言われることが多いですが、新NISAも元本割れするリスクがゼロではありません。

投資に絶対はありませんので、そのリスクを理解した上でまずは余剰資金から行うのがよいでしょう。

特定口座と損益通算ができない

NISA口座は通常の特定口座(課税口座)と損益通算ができません

損益通算とは?
1年間分の利益と損失を相殺すること。

例えば、特定口座Aで5万円の利益、特定口座Bで10万円の損失が発生した場合、特定口座AとBの損益を合わせると5万円の損失になります。

上記の場合は、特定口座AとBを損益通算してトータルが5万円の損失のため、税金がかかりません。

しかし、特定口座BがNISA口座であれば損益通算できず、特定口座Aでの5万円の利益には税金がかかります。

特定口座と損益通算ができないのは新NISAの大きなデメリットなので、覚えておきましょう!

旧NISAで対象だった一部商品が投資不可

新NISAでは、旧NISAで対象だった一部商品が投資不可となりました。

例えば、以下のようなレバレッジ商品が該当します。

  • S&P500のレバレッジ商品
  • NASDAQ100のレバレッジ商品
  • FANG+のレバレッジ商品

購入したい商品が新NISAで対象外となっていないか、事前に確認しておきましょう!

運用資金がないと有効活用できない

運用資金がないと、NISA制度を有効活用できないのもデメリットです。

例えば、毎月1万円積立と毎月10万円積立を年率5%で20年間継続した場合、20年後の運用額は以下の表のようになります。

毎月1万円つみたて毎月10万円つみたて
元本約240万円約2,400万円
利益約170万円約1,710万円
運用額合計約410万円約4,110万円

20年間運用すると利益の差が約1,540万円となり、毎月の積立額が多い方が利益も大きいです。

投資において入金力は大きな武器になることを覚えておきましょう!

新NISAに関するよくある質問

新NISAに関するよくある質問は次の3つです。

  • 新NISAでシミュレーションするやり方は?
  • 新NISAの生涯投資枠1,800万円は何年で使い切れる?
  • 旧NISA口座はどうなる?

新NISAの利用で確実に知っておくべき内容なので、しっかり押さえておきましょう!

新NISAでシミュレーションするやり方は?

新NISAで積立などのシミュレーションをするには、金融庁の資産運用シミュレーションを利用すると簡単に計算できます。

新NISAの生涯投資枠1,800万円は何年で使い切れる?

新NISAの生涯投資枠1,800万円は、最短5年で使い切れます。年間非課税枠が1人あたり360万円だからです。

ただし、元本割れのリスクもあるため、自分のペースで無理なく投資を行いましょう!

こちらの記事では満額1800万円を投資した場合のシミュレーションをしていますのであわせて読んでみてください!

旧NISA口座はどうなる?

新NISA口座を作っても旧NISA口座はそのまま残ります。

旧NISA口座から新NISA口座への移管手続きも不要なので、安心してください。

「新NISAはデメリットしかない」は勘違い!実際はメリット多数

新NISAには「元本割れするリスクがある」「損益通算できない」などのデメリットがあります。

しかし、新NISAのメリットとして「無期限で運用利益に税金がかからない」「年間360万円の非課税枠」があるのは大きいです。

「新NISAにはデメリットしかない」というのは正確ではなく、新NISAにはメリットも多数あることがわかります。

新NISAの特徴を理解した上で資産運用を行いましょう!

記事URLをコピーしました