IPOとは?仕組みやメリット、株の買い方をわかりやすく解説
目次
投資をしていく中で「IPO投資」を耳にしたものの、どのような仕組みやメリットがあるのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
IPOとは「新規公開株式」のことで、市場に公開される前のIPO株を購入・保有する方法を「IPO投資」と言います。
2024年10月23日に、東京地下鉄(東京メトロ)が東証プライム市場に新規上場(IPO)したことでも注目を集めています。
成長が見込める企業が多く、利益も期待しやすい点から多くの投資家がチェックしている人気の投資方法です。
IPO株は通常の銘柄とは異なる点がいくつかあるため、仕組みをよく理解した上で購入を検討する必要があります。
この記事では、IPO株の仕組みや投資するメリット、具体的な購入手順などについて解説しています。
IPO株の特徴やメリット、注意点などを把握して、自分の投資スタイルに合っているかどうか確認してみましょう。
- IPOについて
- IPO投資のメリット
- IPO投資をするときの注意点
- IPO株の買い方
- IPO株の存在を最近知ってさらに理解を深めたい人
- IPO投資のメリット・デメリットを知りたい人
- IPO株の申し込みから買い方までの流れを知りたい人
IPOとは?わかりやすく解説
IPOとは、「Initial Public Offering」の略称で「新規公開株式」を表します。
証券取引所に上場して、株式を新規公開して取引できるように売り出すのがIPOです。
IPOには以下のように、同じような意味合いで使われることが多い用語があります。
- 「IPO株投資」とは
- IPOと「PO」の違いとは
- IPOと「上場」の違いとは
それぞれの意味や違いがわからない人は、次の解説であわせて確認しておきましょう。
「IPO株投資」とは
IPO株投資とは、IPO株が証券取引に上場する前の段階で購入する権利を得る投資方法です。
公開価格よりも安く購入できるため、公開後すぐに初値で売却するだけで利益を得やすい仕組みになっています。
上場する前の株式を割安で事前購入できるのが、IPO株投資の大きな特徴です。
IPOと「PO」の違いとは
「IPO」と「PO」の違いは、次の通りです。
- IPO→「Initial Public Offering」の略称で、証券取引所に上場して投資家が株式の取引をできるように売り出すこと
- PO→「Public Offering」の略称で、既に上場している企業が新規で株式を発行することを指す
POは、新規事業などによる資金調達が主な目的となる場合が多く、IPOよりも少額でおこなわれます。
IPOと「上場」の違いとは
「IPO」と「上場」は、どちらも似たような意味を持ちます。
- IPO→証券取引所に上場して、投資家が株式の取引(売買)をできるようにすること
- 上場→株式が証券取引所から取引を許可されることを指す
同じ意味として使われることが非常に多いため、同様の認識で問題ありません。
IPO投資のメリット3選
さまざまな投資方法がある中で、IPOに投資するメリットは次の3つです。
- 買付時に手数料がかからない(取引手数料が無料)
- 成長が期待できる将来性のある企業(銘柄)が集まっている
- 公募(公開)価格よりも割安に設定されるケースが多い
いずれもIPOならではの魅力的なメリットのため、自分のスタイルに合っているか確認して、投資を検討してみてください。
1.買付時に手数料がかからない(取引手数料が無料)
IPO株投資は、買い付け時に取引手数料がかからないのが大きなメリットです。
通常の投資の場合は、買付や保有、売却などに各種手数料がかかります。
一方、IPO投資だと買付手数料が無料に設定されているのが特徴です。
手数料として引かれる金額が少ない分、利益が得やすい投資になっています。
ただし、売却時は通常の投資と同じように手数料がかかるため注意が必要です。
2.成長が期待できる将来性のある企業(銘柄)が集まっている
IPO投資には、創業後に業績が順調に成長している企業が集まっているため、将来性が期待できる銘柄が多いです。
証券取引所への上場は審査が厳しく、高い収益性や安全性があると判断された企業(銘柄)しか上場できない仕組みになっています。
長期にわたって成長していく可能性がある企業や、新興企業を見つけて投資をしたい人に、IPO投資は特におすすめです。
3.公募(公開)価格よりも割安に設定されるケースが多い
IPO投資では、上場後の公募価格よりも株価が割安に設定されているケースが多く、利益を得やすくなっています。
公開前に株式を購入する権利を手に入れられるため、公開後に通常購入する投資家に比べて条件が良いです。
購入時点で割安な設定になっており、上場後にすぐ売却するだけで利益を得られるケースが多いのが、IPO投資の大きなメリットです。
IPO投資のデメリット・注意点3選
貴重なメリットがあるIPO投資ですが、次のようなデメリットも存在します。
- 抽選に当選しないと購入できない
- 初値で購入しても損失のリスクがある
- 抽選している間は資金が拘束される
IPO投資をする場合はメリットだけでなく、デメリットや注意点をよく理解しておきましょう。
1.抽選に当選しないと購入できない
IPO投資は、高い成長性が見込める企業の株式を割安で購入できる一方で、投資には抽選に当選する必要があります。
抽選に当選した投資家のみが購入できる仕組みになっており、全員が好きな株数を購入できるわけではないため注意が必要です。
投資家の中でIPOは人気株となっているため、企業(銘柄)によっては当選率が極端に低くなるケースもあります。
2.初値で購入しても損失のリスクがある
IPO株は割安で購入できて値上がりが期待できるものの、投資の仕組み上、損失が発生するリスクもあるため注意が必要です。
上場後に株価が値上がりして利益が発生するケースが多いですが、絶対ではないことを理解しておく必要があります。
抽選購入後の損失を避けるためにも、事前の企業リサーチは必須でおこないましょう。
3.抽選している間は資金が拘束される
IPO株は、申し込みや抽選、当選後に資金拘束があるため、必ず理解しておく必要があります。
資金拘束とは、IPO株に申し込みした分の口座金額が引き出せなくなる状態のことです。
例えば、○○社のIPO株10万円分に申し込みをしたら、証券会社が指定する期日まで10万円が動かせなくなるイメージです。
他のIPO株に申し込みする場合、資金拘束されていると申し込みができないケースもあります。
資金拘束の条件は証券会社によって異なるため、自分が口座を開設した証券会社がどのような仕組みを取っているのか確認しておくことが重要です。
IPO株の買い方(申し込みから購入までの流れ)
IPO株は、次の3ステップで申し込みができます。
通常の投資とは手順が異なるため、違いを確認しておきましょう。
- 証券口座を開設する
- 購入資金を入金する(入金なしで抽選に申し込みできる証券会社もある)
- IPOに申し込みをする(抽選で当選すれば購入)
- 上場後に売却するかそのまま保有する
IPO株は、証券会社によって取り扱いの有無や本数が異なります。
目当ての企業(銘柄)がある場合は、証券会社に取り扱いがあるのか必ず確認しましょう。
IPOでよくある質問
IPO株に投資をする前は、次の点に疑問を抱えがちです。
- IPO投資に必要な金額は?
- IPO投資には税金がかかる?
- IPOスケジュールは?
IPO投資を検討していて、上記をまだよく把握していない人は、この機会に確認しておくのがおすすめです。
IPO投資に必要な金額は?
IPO株は企業(銘柄)によって購入金額が異なるため、一律いくらあれば購入できるというわけではありません。
ですが、ほとんどのIPO株が30万程度あれば購入できます。
「公開価格×1単元(100株)」が、IPO株の購入に必要な金額です。
10万程度で安く購入できる銘柄もあれば、50万程度ないと購入できない高額な銘柄もまれにあります。
自分が購入したい銘柄の公開価格をリサーチして、必要な金額を準備しましょう。
IPO投資には税金がかかる?
IPO投資にかかる税金は通常の投資と同じで、運用益に所得税、住民税、復興特別所得税として、20.315%課税されます。
ただし、NISAでIPO株を購入する場合は、税制優遇によって運用益が非課税になります。
IPO投資だからといって税金が割安、高額になるわけではありません。
課税の仕組みについては、従来と同じ認識のままで良いですよ。
IPOスケジュールは?
IPOの新規上場スケジュールは、証券会社や経済新聞などのWebサイト上で公開されています。
日本経済新聞が公開している新規上場スケジュールは、以下のリンクから確認できます。
目をつけている企業(銘柄)の上場を見落とさないためにも、こまめに情報収集しておくのがおすすめです。
まとめ:IPO株は利益を狙いやすく将来性も見込めるおすすめの投資
IPOは株式の公開よりも先に購入の権利を得られ、通常の投資よりも短期で利益を得やすいです。
事業拡大や業績アップが見込める企業が多いため、成長性の高い銘柄を探している人は投資を検討してみると良いでしょう。
最後に、IPO投資のメリット・デメリットをあらためておさらいしていきます。
【IPO株投資のメリット】
- 買付時に手数料がかからない(取引手数料が無料)
- 成長が期待できる将来性のある企業(銘柄)が集まっている
- 公募(公開)価格よりも割安に設定されるケースが多い
【IPO株投資のデメリット】
- 抽選に当選しないと購入できない
- 初値で購入しても損失のリスクがある
- 抽選している間は資金が拘束される
IPO株を選択肢に加えて、自分に合った資産運用を目指していきましょう。