マイナンバーカードを使用して医療費控除(確定申告)をする方法
目次
診療費や処方箋代がかさんだため、医療費控除をおこないたいものの、マイナンバーカードを使用した確定申告の方法が分からずに悩んでいませんか?
マイナンバーカードを使用した医療費控除は非常に簡単で、メリットも多いです。
ですが、事前の登録や設定が必要なため、正しい手順を理解しておく必要があります。
この記事では、マイナンバーカードを使用して医療費控除(確定申告)をおこなう手順と、メリットや注意点について解説しています。ぜひ、設定や確定申告の方法を理解して、スムーズに医療費控除をおこないましょう。
- 医療費控除の詳細
- マイナンバーカードを使って医療費控除をするメリット
- マイナンバーカードを使って医療費控除をする方法
- マイナンバーカードを使用して医療費控除をするときの注意点
- マイナンバーカードは持っているものの、医療費控除のやり方が分からない人
- マイナンバーカードを持っているけど、確定申告をしたことがない人
- マイナンバーカードを使って初めて医療費控除をおこなう予定の人
医療費控除とは
医療費控除とは、年間の医療費が10万を超えた場合に申告できる所得控除のことです。最大200万までで、本人と生活を一にする親族が対象です。
対象期間は1月1日〜12月31日までで、翌年の2月16〜3月15日までに確定申告で申請をおこないます。受付は翌年1月1日から開始され、過去5年以内の医療費を申告できます。
医療費控除の対象となる費用
医療費控除の対象となる医療費は、次の通りです。
- 診療費、治療費
- 入院、通院時の交通費
- 入院時の部屋代、食事代
- 治療器具の購入費
- 処方された薬代
- 歯列矯正
- インプラント
上記に当てはまる10万以上の出費をした場合、税金の控除や還付金の受け取りができます。
医療費控除(確定申告)をおこなう2つの方法
確定申告で医療費控除をおこなう方法は、次の2パターンがあります。
- 申告書類を作成して税務署へ提出する
- マイナポータルと連携させてe-taxで提出する(Web完結)
マイナンバーカードを使用して医療費控除をする場合は、「2」の電子申告を選択しましょう。
1.申告書類を作成して税務署へ提出する
医療費控除は、申告書類を記入して税務署へ提出すると申請ができます。申告書の作成方法には、次のような選択肢があります。
- 確定申告書等作成コーナー(サイト)で作成する
- 申告書類を印刷して手書きで記入する
申請書類は、以下のサイトからダウンロード可能です。
また、書類の提出方法にも、次のような選択肢があります。
- 税務署へ直接提出する
- 税務署へ郵送する
パソコンやマイナンバーカードが使用できる場合は、次に紹介する方法で確定申告をおこなうのがおすすめです。
2.マイナポータルと連携させてe-taxで提出する(Web完結)
医療費控除は、マイナポータルと連携させたマイナンバーカードを使用してe-taxで申告すれば、スマホやパソコンの操作だけで簡単に申請できます。
- e-tax:国税庁が運営している各種手続きをおこなうためのシステムのこと
- マイナポータル:政府が運営しているオンラインサービスのこと(マイナ保険証を利用していると受診や処方などの医療情報が保存される)
e-taxでの申請なら、税務署へ行く必要も書類を郵送する必要もないため、マイナンバーカードを活用して医療費控除をする場合は、この方法がおすすめです。
マイナンバーカードを使って医療費控除をする3つのメリット
確定申告をする際、マイナンバーカードを使って医療費控除をおこなうと、次の3つのメリットがあります。
- 医療費を自動入力できる
- ネットだけで完結できる
- 領収書を保存する必要がない
マイナンバーカードを使用すると確定申告の利便性が格段に向上するため、医療費控除をする際は積極的に活用しましょう。
1.医療費を自動入力できる
マイナンバーカードを使った医療費控除(確定申告)は、書類の作成時に医療費を自動で入力できるのがメリットです。
マイナンバーカードと健康保険証を紐づけたマイナ保険証を作成しておくと、マイナポータルというアプリに受診や処方のデータが保存されます。確定申告時にマイナポータルとe-taxを連携させれば、医療費が自動で書類に入力されるため、簡単に医療費控除の書類作成や提出ができるようになります。
初めての人でも簡単に医療費控除ができるのが、マイナンバーカードを使って確定申告をする大きなメリットです。
2.ネットだけで完結できる
マイナンバーカードを使って確定申告をおこなえば、わざわざ税務署へ行く必要がなく、ネットだけで医療費控除ができます。
申請時もマイナポータルと連携すれば医療費が自動入力されるため、確定申告が初めての人でもスマホやパソコンがあれば簡単に作成可能です。
ただし、全てネットで完結できて便利な分、確定申告の基礎知識が必要になります。
3.領収書を保存する必要がない
マイナンバーカードを利用し、マイナポータルと連携させて確定申告をおこなえば、受診や処方時の領収書を保存する必要がなくなります。
通常、医療費控除をする場合は、5年間の領収書保管が必要です。マイナ保険証を作成していれば、医療データがマイナポータルに全て保存されているため、領収書を保存しなくても問題ありません。
申告時に領収書を探す手間も、申告後に管理する手間もなくなるのが、マイナンバーカード(マイナ保険証)を使用して医療費控除をするメリットです。
ただし、領収書の保管が不要なのは、マイナ保険証を使用している場合のみです。マイナンバーカードを使って申告をするものの、マイナ保険証を作成しない場合は領収書保管が必要になるため注意してください。
マイナンバーカードを使って医療費控除をするやり方3ステップ
マイナンバーを使った確定申告は非常に簡単で、次の3ステップだけで医療費控除ができます。
- マイナンバーカードを健康保険証として登録する
- マイナポータルとe-taxを連携させる
- 確定申告書等作成コーナーで申告書類を作成する
確定申告をする前に必要な設定があるため、忘れずおこなうようにしましょう。
1.マイナンバーカードを健康保険証として登録する
マイナンバーカードを使って医療費控除をおこなうには、マイナンバーカードを健康保険証と紐づける必要があります。
マイナンバーカードを健康保険証として登録する手順は次の5ステップです。(スマホの場合)
- マイナポータルアプリを開く(初回の場合は登録が必要)
- 「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」をタップする
- 利用規約や各説明を確認し、表示に従って進む
- マイナンバー交付時に設定した4桁の暗証番号を入力する
- スマホでマイナンバーカードを読み取る
他にも、パソコンやセブン銀行のATMでも登録が可能です。マイナ保険証を作成しないと、マイナポータルとの連携による自動入力はできないため注意してください。
2.マイナポータルとe-taxを連携させる
マイナ保険証の登録ができたら、マイナポータルアプリとe-taxを連携させます。ここで必要となるものは、次の通りです。
- スマホorパソコン
- マイナポータルアプリ
- マイナンバーカード
マイナポータルとe-taxの連携は次の4ステップでおこないます。
- 外部サイトの連携をタップする
- e-taxの登録をする
- マイナンバーカードを読み取る
- 利用者情報を入力する
さらに分かりやすい手順が知りたい場合は、以下のサイトを参考にするのがおすすめです。
e-tax|マイナポータルの「外部サイトとの連携」機能についてよくある質問
3.確定申告書等作成コーナーで申告書類を作成する
マイナポータルとe-taxの連携ができたら、後は確定申告をして医療費控除をおこなうだけです。
確定申告の詳しい手順については、以下の国税庁サイトを参考にするのがおすすめです。
確定申告は、2月16日〜3月15日までの間に忘れずにおこなうようにしましょう。
マイナンバーカードを使用して医療費控除をするときの注意点5選
マイナンバーカードを使用した確定申告は非常にメリットが大きいですが、次のように注意が必要な点も存在します。
- マイナンバーカードと健康保険証を連携しておく必要がある
- マイナポータルに反映されるのはマイナ保険証を使用した費用のみ
- マイナポータル外の医療費は領収書の保存が必要
- 家族分を申告する際はマイナポータルでの代理人設定をする必要がある
- 医療費情報は2/9になるまで取得できない
メリットだけでなく、必ず注意点も理解した上で医療費控除をおこないましょう。
1.マイナンバーカードを健康保険証と連携させておく必要がある
マイナンバーカードを使用して医療費控除をする際は、必ずマイナンバーカードを健康保険証と連携させておく必要があります。
マイナポータルからe-taxの確定申告書類に医療費を自動入力するには、健康保険証として登録と連携が必須です。
マイナ保険証として登録していない場合や、マイナポータルとe-taxを連携させていない場合は自動入力ができず、申告に時間がかかってしまうため注意しましょう。
2.マイナポータルに反映されるのはマイナ保険証を使用した費用のみ
確定申告をおこなう際、マイナポータルに反映される医療データは、マイナ保険証を利用した受診や処方のみです。
保険外診療やドラッグストアなどでの費用は対象外となるため、あらかじめ注意しておく必要があります。
3.マイナポータル外の医療費は領収書を保存する必要がある
医療費控除をする際、マイナ保険証を利用した受診や処方以外の医療費は、領収書の保管が必要です。領収書は、確定申告後5年間保存しなくてはいけないと定められています。
マイナポータルと連携させて申告をおこなう場合は、システムに医療データが保存されているため、領収書の保存が不要です。
マイナポータル以外からも申告する医療費がある場合は、きちんと領収書を期限まで保存しておきましょう。
4.家族分を申告する際はマイナポータル内で代理人設定をする必要がある
医療費控除は原則、本人しか申告ができず、家族が代わって申請をおこなうにはマイナポータル内で代理人設定が必要です。
マイナンバーカードは個人情報で、確定申告も各々で提出するものなため、代理人を指定しないと医療費控除ができないようになっています。
家族に代わって医療費控除を申請する必要がある場合は、マイナポータルの代理人設定を忘れずにおこなってください。
5.医療費情報は2/9になるまで取得できない
確定申告をおこなう際に必要な医療費情報は、2月9日に確認できるようになっています。2月9日以前に確認しようとしても、反映されていないため注意が必要です。
確定申告の提出期間は2月16日〜3月15日までなため、約1週間前に取得できるイメージです。
まとめ:マイナンバーカードを使えば医療費控除(確定申告)は簡単にできる
マイナンバーカードを使用すれば、初めて確定申告をする人でも簡単に医療費控除ができるようになります。
最後に、マイナンバーを使って医療費控除をするメリットをおさらいしていきます。
- 医療費を自動入力できる
- ネットだけで完結できる
- 領収書を保存する必要がない
診察や処方箋などの医療費がかさんで確定申告をおこなう際は、利便性が高いマイナンバーカードを活用しましょう。