ふるさと納税のメリット・デメリットは?しない方がいい人も紹介
目次
「ふるさと納税って本当にお得なの?」
ふるさと納税を始めてみようと思った人の多くは、メリットやデメリットが気になりますよね。ふるさと納税は、自治体に寄付をすると、税金の控除が受けられる制度です。返礼品がもらえるのも魅力ですが、手続きが必要だったり、控除額に上限があったりと注意点もあります。
この記事では、ふるさと納税のメリット・デメリットを解説し、おすすめな人、向かない人についても紹介します。かしこくふるさと納税を活用し、多くのメリットをえられるようにしましょう。
- ふるさと納税の基本とメカニズム
- ふるさと納税の利点と欠点
- どのタイプの人がふるさと納税を利用すべきか、または避けるべきか
- ふるさと納税に興味があるが、その仕組みや効果を理解していない人
- ふるさと納税を利用するか悩んでいる人
- 税金控除を目的とした寄付を考えているが、どの自治体を支援すべきか決めかねている人
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、自治体に寄付すると、税金の控除が受けられる制度です。生まれ故郷や応援したい自治体に寄付ができ、お礼の品も受け取れます。
寄付金は、自治体の活性化や住民サービスの向上に役立てられます。手続きは、ワンストップ特例制度などで簡略化されています。
ただし、一定の自己負担があり、確定申告が必要な場合もあります。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税は、自治体に寄付すると控除が受けられる制度です。寄付先は、出身地以外も選べ、使い方も指定できます。
控除額は、所得税と住民税から算出され、2,000円を超える部分が還付されます。一方、2,000円は自己負担となり、控除額の年間上限もあります。寄付の手続きは、書面や電子申請で行います。
※ふるさと納税の仕組みに関してはこちらの記事をご覧ください。
ふるさと納税の注意すべき8つのデメリット
ふるさと納税の注意すべき8つのデメリットは次のとおりです。
- 確定申告が必要になる場合がある
- 自己負担2,000円が必ず必要
- 寄付した年は持ち出しになる
- 名義が一致しない場合は控除されない
- 控除限度額を超えると自己負担となる
- 年間の寄付先が複数ある場合は管理が必要
- 返礼品の受け取りに関する制約
- 節税対策としての誤解
確定申告が必要になる場合がある
ふるさと納税の控除を受けるには、確定申告が必要な場合があります。寄付先が5自治体以上の場合や、医療費控除などを受けている場合は、ワンストップ特例制度が利用できません。
ワンストップ特例制度は、確定申告不要で控除を受けられる仕組みですが、該当しない場合は確定申告で寄付金控除を申請する必要があります。
確定申告が必要になる分、手続きが面倒になる点はデメリットといえるでしょう。
自己負担2,000円が必ず必要
ふるさと納税では、寄付額に関わらず、2,000円の自己負担が発生します。この金額は、控除の対象外となる部分です。
これは、地方団体への寄付を促進するために設けられた制度上の仕組みです。例えば、1万円の寄付をした場合の控除額は8,000円となり、2,000円は返礼品の購入費用や事務手数料などに充てられます。
この2,000円は寄付額によらず一律なので、寄付額が少ない場合には自己負担の割合が大きくなる点に注意が必要といえるでしょう。
寄付した年は持ち出しになる
ふるさと納税は、寄付した年は持ち出しになります。寄付額は、翌年の住民税と所得税から控除される仕組みであるため、寄付した年は自己資金が減少します。
例えば、12月に10万円寄付した場合、翌年の税額から控除されるため、一時的な資金負担が発生します。この点を理解しないと、一時的に家計が苦しくなるといった可能性もあるので、事前に寄付額や寄付するタイミングを決めるのがおすすめです。
名義が一致しない場合は控除されない
ふるさと納税は、寄付者と支払者の名義が一致しないと、控除が受けられません。例えば、子供の名前で寄付し、親の口座から支払った場合、控除の対象外となります。
これは、寄付金控除が、寄付者本人の所得税と住民税から差し引かれる仕組みであるからです。寄付する際は、必ず寄付者名義の口座やクレジットカードを使用しましょう。
控除限度額を超えると自己負担となる
ふるさと納税の控除限度額は、所得に応じて決まります。この限度額を超えた寄付金は、控除の対象外となり、自己負担となるデメリットがあります。
例えば、年収500万円の独身または共働きの場合、限度額は約6万円です。10万円寄付すると、超過分の4万円は自己負担になります。
「ふるさと納税=寄付額が控除される」と無計画に寄付を行うと痛い目にあってしまいます。寄付前に必ず限度額を確認し、計画的に行うことが大切です。
参考:総務省|ふるさと納税のしくみ
年間の寄付先が複数ある場合は管理が必要
ふるさと納税で、年間に複数の自治体に寄付すると、管理が煩雑になるデメリットがあります。特に、寄付先が6つ以上になると、ワンストップ特例制度が利用できず、確定申告が必須となります。
寄付金受領証や控除額通知書などの書類を管理する手間も増えます。手続きを簡単にするには、寄付先を5つ以内に絞り、ワンストップ特例制度を活用することようにしましょう。
返礼品の受け取りに関する制約
ふるさと納税の返礼品には、受け取りに関する制約があります。自分が住んでいる自治体に寄付しても、返礼品はもらえません。これは、返礼品を目的とした寄付を防ぐためのルールです。
また、返礼品の価格は、寄付額の3割以下に設定されているので、高額な返礼品を期待しているとがっかりするかもしれません。返礼品はあくまでお礼の品物であり、「自治体への貢献である」前提を理解しておきましょう。
節税対策としての誤解
ふるさと納税を節税対策と誤解している人がいます。ふるさと納税は、あくまでも寄付であり、節税が主目的ではありません。控除を受けるには、2,000円の自己負担が必要です。
また、返礼品の価値は寄付額の3割以下に制限されています。節税効果を期待しすぎると、損をする可能性があります。ふるさと納税は、地域貢献や返礼品を楽しむことを目的に利用しましょう。
ふるさと納税の4つのメリット
ここでは、ふるさと納税の4つのメリットについて詳しく解説します。ふるさと納税のメリットは次のとおりです。
- 応援したい自治体に寄付が可能
- 返礼品を受け取れる
- 税金が控除される
- ワンストップ特例制度による手続きの簡略化
応援したい自治体に寄付が可能
ふるさと納税は、自分が応援したい自治体に寄付ができるメリットがあります。出身地だけでなく、どの自治体にも寄付が可能です。
また、寄付金の使い道も、自治体が提示する選択肢から選べます。例えば、観光振興や子育て支援など、関心のある分野に寄付できます。このように、ふるさと納税は、個人の意思を反映した地域貢献の手段といえます。
返礼品を受け取れる
ふるさと納税では、返礼品が受け取れることも大きなメリットです。寄付先の自治体から、お礼としてその地域の特産品などがもらえます。返礼品は、寄付額の3割相当までと定められています。
地域の美味しい食べ物や工芸品など、様々な品物があるため、返礼品を通して地域の魅力を知れるでしょう。また、返礼品は地域経済の活性化にも役立ちます。
税金が控除される
ふるさと納税のメリットは、税金の控除が受けられることです。寄付額から2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されます。
例えば、1万円寄付すると、8,000円分の控除となり、実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえるのは大きな魅力です。ただし、控除額には上限がある点は注意が必要です。
ワンストップ特例制度による手続きの簡略化
ふるさと納税の手続きが簡単になるワンストップ特例制度があります。この制度は、確定申告が不要な給与所得者が対象です。
年間の寄付先を5自治体以内にすると、確定申告なしで控除が受けられます。寄付先の自治体に申請書を提出するだけで手続き完了です。面倒な書類作成や税務署への提出が省略できるのは大きなメリットでしょう。
ふるさと納税がおすすめな人
ふるさと納税がおすすめな人は次のとおりです。
- 年収200万円以上の人
- ある程度課税所得のある個人事業主
- 返礼品を求めている人
年収200万円以上の人
ふるさと納税は、年収200万円以上の人におすすめです。この年収層は、税額控除の恩恵を最大限に受けられる傾向にあります。
年収が高くなるほど控除上限額が高くなるため、より多くの寄付ができ、返礼品として魅力的な特産品を選べる可能性が広がります。一方、年収が低い人は、控除額が少なく、あまりメリットを感じにくいかもしれません。
ある程度課税所得のある個人事業主
ふるさと納税は、課税所得のある個人事業主にもおすすめです。一定以上の所得がある場合、税額控除のメリットが大きくなります。
また、事業経費にも計上できるので、返礼品を受け取りながら節税効果も期待できるでしょう。
返礼品を求めている人
ふるさと納税は、返礼品を求める人におすすめです。実質2,000円の負担で寄付先の自治体から、特産品などの返礼品がもらえます。
返礼品の価値は寄付金額の3割程度に相当しまので、寄付額が多くなるほどに返礼品の価値が相対的に高まります。例えば50,000円の寄付の場合には15,000円相当の返礼品がもらえるのです。
このように実質2,000円の自己負担で、魅力的な品物を受け取れるのは大きな魅力でしょう。ただし、返礼品目当てでの寄付は避け、あくまでお礼の品と考えることが大切です。
ふるさと納税をしない方がいい人
ふるさと納税をしない方がいい人は次のとおりです。
- 収入が150万円以下の人
- 手続きが面倒と感じる人
- 他の控除を多く受けている人
- 所得税や住民税を払っていない人
収入が150万円以下の人
ふるさと納税は、年収150万円以下の人にはおすすめできません。この収入層は、税額控除のメリットが少ないためです。控除額が小さいと、自己負担金と返礼品の価値が見合わないこともあります。
また、そもそも所得税や住民税を払っていない場合、控除の恩恵を受けられません。低収入の人は、ふるさと納税よりも生活費を優先することが賢明でしょう。
手続きが面倒と感じる人
ふるさと納税は、手続きを面倒に感じる人には向きません。寄付をすると、確定申告やワンストップ特例制度の書類提出が必要です。
確定申告は、年に一度とはいえ不慣れな方には面倒と感じるでしょう。また、ワンストップ特例制度に関しても、簡便化されていものの寄付先自治体への書類提出が必要です。これらの手続きに時間と労力を割けない人は、ふるさと納税はおすすめできるとはいえません。
他の控除を多く受けている人
ふるさと納税は、他の控除を多く受けている人には適していません。住宅ローン控除や医療費控除などを既に受けている場合、受けられる控除額が少ない/既に上限に達していることがあります。
その結果、ふるさと納税の控除が受けられなかったり、メリットが少なくなったりします。控除額に余裕がない人は、ふるさと納税を控えた方がよいでしょう。
自分がどの程度控除が受けられるかは、シミュレーションツールを活用すると確認できるので、事前に詳細を把握しておくことをおすすめします。
所得税や住民税を払っていない人
ふるさと納税は、所得税や住民税を支払っていない人にはおすすめできません。寄付金控除は、これらの税金から差し引かれるため、そもそも税金を払っていない人は控除を受けられないのです。
つまり、ふるさと納税のメリットを享受できません。仮に寄付を行ったとしても自己負担額と返礼品の価値を比較するとお得感はないでしょう。なので、所得税や住民税を支払っていない人は、ふるさと納税にメリットを感じれないといえます。
失敗を防ぐために注意すべき点は?
ふるさと納税を利用する際は、控除限度額を把握しておくことが大切です。限度額は、年収や家族構成によって異なります。限度額を超えた寄付分は控除の対象外となり、自己負担となります。
また、確定申告の際には、寄付金受領証明書が必要です。この書類は、寄付先の自治体から発行されます。控除を受けるためには、必ず保管しておきましょう。
デメリットや注意点を理解した上でふるさと納税を利用しよう
ふるさと納税は、地域貢献とお得な返礼品が魅力の制度です。一方で、自己負担額や控除限度額など、注意点もあります。
手続きの煩雑さや、控除が受けられない場合もあるでしょう。メリット・デメリットを十分理解した上で、自分に合った寄付先を選ぶことが大切です。ふるさと納税を有効に活用し、地域と自分にとってWin-Winな関係を築いていきましょう。