新NISAの成長投資枠とは?おすすめの買い方3選もご紹介
目次
「新NISAで成長投資枠ができたって聞いたけど何が違うの?」
「どうやって成長投資枠を使えばいいかわからない……」
新NISAの成長投資枠とは一体何か、どのように使えばいいのか、よくわからずに成長投資枠を使わないままにしている、という人は多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、成長投資枠はつみたて投資枠とはまた違った使い方ができ、これまでの投資方法の幅を広げてくれる可能性を秘めた新制度なのです。
ここでは改正の要点をふまえ、成長投資枠の活用術について具体的に解説していきます。新NISAをフル活用し資産形成を加速させるヒントがきっと見つかるはずですよ。
- 成長投資枠とつみたて投資枠の違いと特徴
- 成長投資枠の活用をおすすめしたい理由
- 自分の投資スタイルに合った成長投資枠の活用術
- 新NISAの成長投資枠について詳しく知りたい人
- 成長投資枠はどんな人におすすめか知りたい人
- 成長投資枠の上手な活用方法を探している人
新NISAの成長投資枠とは?
「成長投資枠」とは2024年からの新NISAで新たにできた投資枠の一つ。その特徴をここではお伝えしていきます。
成長投資枠とつみたて投資枠の違い
新NISAにおける成長投資枠とつみたて投資枠の違いは、次の表に示す通りです。
成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円) | |
非課税期間 | 無期限 | |
口座開設期間 | 恒久化 | |
対象商品 | 上場株式、投資信託 ※一部対象外商品あり | 長期積立・分散投資にふさわしい投資信託 ※金融庁が定めた商品に限る |
投資方法 | 一括投資、積立投資 | 積立投資のみ |
対象年齢 | 18歳以上 |
この違いを踏まえ、成長投資枠の特徴として理解しておきたいポイントは次の3つです。
- 対象商品が広い
- 年間の投資上限が240万円と大きい
- 積み立て以外の買い方も可
これらの特徴から、成長投資枠の活用により柔軟な投資を可能にします。
ただし気を付けておきたいのは、生涯投資枠1,800万円のうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までという制限があることです。成長投資枠だけで、新NISAの生涯投資枠をすべて使い切ることはできません。
成長投資枠の対象商品
成長投資枠を使えば、投資信託や上場株式、ETFやREITなど幅広い商品への投資が可能です。米国株式や海外ETFなど海外へも投資ができるので、投資対象国のバリエーションも広がります。
ただし成長投資枠を用いた投資であっても、次の商品は対象外となります。
- 株式のうち整理・監理銘柄
- 投資信託のうち次のいずれかに該当するもの
- 信託期間20年未満
- 毎月分配型
- デリバティブ取引を用いたもの
投資前に商品の知識についてしっかり学び、成長投資枠の対象かどうかしっかり確認するようにしましょう。
新NISAで神改正!成長投資枠の活用をおすすめしたい理由4つ
成長投資枠の活用をおすすめしたい具体的な理由は次の4つです。
これらは新NISAへの改正によるものがほとんどです。成長投資枠をフル活用するためにも、まずは「神改正」とよばれる所以を学んでいきましょう。
幅広い投資に活用できるから
つみたて投資枠と比べ、投資できる商品が豊富なのが成長投資枠の特徴です。また投資方法についても、積立投資と一括投資の二種類から選べます。
例えば、つみたて投資枠では買えないアクティブ運用のファンドや海外ETFなども成長投資枠なら購入が可能です。これまでとは違った投資を非課税で行えるのは、成長投資枠の大きなメリットと言えるでしょう。
ただし先述したように、成長投資枠であっても対象外の商品が存在します。新NISA改正により対象商品の幅は却って狭まってしまいましたが、それでもつみたて投資枠と比べると商品のバリエーションは豊富です。
詳しい対象商品を知りたい方は、投資信託については投資信託協会のホームページより対象商品一覧をダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみてください。
非課税期間が無期限となったから
新NISA改正により、もともと5年(旧制度上の一般NISAの場合)であった非課税期間は無期限になりました。「長期」という考え方が大切な投資において、売却までのタイムリミットが撤廃されたのは投資初心者にとっても大きな追い風となります。
投資した商品を売却しない限り非課税のまま保有できるので、値上がりを長い目で見守ることができます。例えば、成長企業の株を10年、20年と長期保有し大きな値上がり益を得たとしても、その利益を非課税で手にできるというわけです。
こちらの改正はつみたて投資枠も共通です。非課税期間が無期限になった利点をフルに活用できるよう、ぜひ長期での投資計画を立ててみましょう。
投資枠を復活できるようになったから
NISA枠で購入した商品を売却すれば、売却した金額分の枠が翌年に復活するようになりました。
たとえば1,800万円の生涯投資枠を使い切ってしまったとしても、そのうち500万円を売却すれば、翌年に500万円の枠が復活し再度非課税で投資することが可能になるのです。
成長投資枠では売買を繰り返す機会も多いので、枠の再利用ができるようになったことでより主体的な投資を後押ししてくれます。生涯投資枠を超えた投資もできるので、節税効果を最大限に発揮した運用が実現可能です。
つみたて投資枠と併用可能になったから
旧NISAでは「一般NISA」「つみたてNISA」のうちいずれかを選択しなければいけませんでしたが、新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」の二つとも併用できるようになりました。それにより、つみたて投資枠でコアとなる資産を形成し、成長投資枠でサテライト運用するなど、組み合わせ次第で効果的な資産形成ができます。
たとえば、つみたて投資枠では長期の投資に適したインデックスファンドでコツコツ積み立てを行い、成長投資枠では個別株やアクティブファンドにチャレンジする、といった使い分けが考えられます。
二つの枠を上手く活用し、自分の投資方針にマッチした運用を目指しましょう。
新NISA活用術|成長投資枠おすすめの買い方3選
新NISAを自分に合った方法で活用するために、おすすめの買い方の例を3つご紹介します。
積立設定でつみたて投資枠を拡大
成長投資枠でもつみたて投資枠と同じ商品を購入できますし、積立設定も可能です。
現在つみたて投資枠を満額設定しているが、年間120万円の上限以上に積み立てを行いたいという人は成長投資枠をつみたて投資枠と同じように活用するとよいでしょう。
成長投資枠と合わせれば年間360万円までの積立が可能になり、つみたて投資に集中したいけど枠が足りないという悩みが解消されます。
一括投資でキャピタルゲインを狙う
非課税期間が無期限になったことで、ピンポイントで一括投資をし値上がりを長期にかけてじっくり狙う投資方法も可能になりました。
たとえば成長の見込める個別株に投資し、長期保有で値上がり益を非課税で得ることもできます。積み立て投資している商品に、値下がりしたタイミングで追加投資するのも活用方法の一つです。
ただし一括投資はリスクも大きく、損切りしてしまう事態とならないよう余裕資金で行うことが鉄則です。個別株の場合はさらに、企業の将来性をしっかり見極め、リスクを踏まえた慎重な銘柄選びも必要不可欠となります。
つみたて投資枠とは異なる投資にチャレンジ
つみたて投資枠では取り扱っていないアクティブファンドや株式など、新しい投資に挑戦するのも一つのアイディアです。
たとえば成長投資枠を使えば、注目の米国株式に投資することも可能です。米国株式には高配当銘柄も多いため、インカムゲインの魅力を味わうこともできるでしょう。
もちろん余裕資金があることが前提ですが、成長投資枠の幅広い商品ラインナップは自分の興味のある分野に投資するきっかけとなるはずです。投資経験が広がることで、より自分に合った運用方法が見つかるかもしれません。
まとめ|新NISAの成長投資枠で自分に合った買い方を
改正されたことによって使いやすくなった新NISA、特に成長投資枠は投資の自由度が格段に上がりました。
老後の積み立てを強化することも、株式投資で値上がり益を狙うことも、興味のある分野の投資にチャレンジすることも可能です。
自分の投資目的を再確認し、それに合った成長投資枠の活用方法を見つけてください。新NISAをフル活用し、効率的な資産形成を実現しましょう。