貯金と投資の適切な割合は?年代別の割合や重要なポイントを解説
目次
貯金や投資をおこなっている、これから始めようと思っているものの、どれくらいの割合でおこなえば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。
貯金と投資の最適な割合は、収入や家族構成、ライフイベントなどによって異なります。そのため、家計やライフプランを明確にして、自分に合った割合を見つけることが重要です。
この記事では、年代別の貯金と投資の割合と、ベストな割合を見つけるために重要なポイントについて詳しく解説しています。
年代別の割合と重要なポイントを確認して、自分に合った最適な割合を見つけましょう。
- 貯金と投資の最適な割合
- 年代別の貯金投資割合
- 貯金と投資をバランス良くするためのポイント
- 初心者におすすめの貯金・投資方法
- これから貯金や投資をしようと思っている人
- 他の人がどれくらいの割合で貯金や投資をしているのか詳しい内訳が知りたい人
- 一般的なデータを参考にしながら貯金や投資の割合を決めたい人
貯金と投資の割合はどれくらいがベスト?
結論、貯金と投資のベストな割合は人によって異なるため、万人に当てはまる正解は存在しません。
具体的には、次のような要素で貯金と投資の割合が異なります。
- 収入
- 家計の状態
- 年齢
- 家族構成
- 支出の予定
- ローンの有無 など
これから紹介する年代別の割合や、決める際のポイントを参考にしながら、自分の生活スタイルに合った最適な割合を見つけましょう。
年代別の貯金投資割合
貯金と投資の割合は年代によって大きく異なるため、20代から70代までの各割合をデータをもとにして紹介します。
- 20代の貯金投資割合
- 30代の貯金投資割合
- 40代の貯金投資割合
- 50代の貯金投資割合
- 60代の貯金投資割合
- 70代の貯金投資割合
自分が該当する年代の割合表で詳細を参考にして、今後の備えの参考にしましょう。
出典:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査(令和5年度)
また、年代別の貯金額が知りたい人は、以下の記事を参考にするのがおすすめです。
20代の貯金投資割合
20代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 49.25% |
金銭信託 | 1.50% |
生命保険 | 9.40% |
損害保険 | 5.64% |
個人年金保険 | 3.01% |
債権 | 1.13% |
株式 | 12.78% |
投資信託 | 15.41% |
財形貯蓄 | 1.13% |
その他金融商品 | 0.38% |
30代の貯金投資割合
30代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 47.94% |
金銭信託 | 1.49% |
生命保険 | 7.44% |
損害保険 | 0.80% |
個人年金保険 | 3.55% |
債権 | 1.60% |
株式 | 23.34% |
投資信託 | 10.64% |
財形貯蓄 | 1.49% |
その他金融商品 | 1.72% |
40代の貯金投資割合
40代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 42.00% |
金銭信託 | 1.69% |
生命保険 | 12.11% |
損害保険 | 2.96% |
個人年金保険 | 5.76% |
債権 | 1.95% |
株式 | 18.54% |
投資信託 | 10.67% |
財形貯蓄 | 2.88% |
その他金融商品 | 1.35% |
50代の貯金投資割合
50代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 39.76% |
金銭信託 | 1.07% |
生命保険 | 11.56% |
損害保険 | 1.41% |
個人年金保険 | 7.33% |
債権 | 2.48% |
株式 | 21.83% |
投資信託 | 8.52% |
財形貯蓄 | 4.41% |
その他金融商品 | 1.58% |
60代の貯金投資割合
60代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 43.62% |
金銭信託 | 0.64% |
生命保険 | 9.28% |
損害保険 | 1.44% |
個人年金保険 | 7.32% |
債権 | 4.92% |
株式 | 20.17% |
投資信託 | 9.92% |
財形貯蓄 | 1.08% |
その他金融商品 | 1.60% |
70代の貯金投資割合
70代の貯金と投資の割合は、次の表の通りになっています。
総世帯
預貯金 | 44.13% |
金銭信託 | 1.16% |
生命保険 | 11.52% |
損害保険 | 1.53% |
個人年金保険 | 3.93% |
債権 | 6.29% |
株式 | 20.81% |
投資信託 | 9.34% |
財形貯蓄 | 0.19% |
その他金融商品 | 1.11% |
貯金と投資は早いうちに始めるのがおすすめ
貯金も投資も時間をかけてコツコツと継続するほど成果が大きくなるため、早い段階で初めておくのが良いです。
特に、投資は期間が長ければ長いほど、複利の力でお金が大きく増えていきます。複利とは、利子に利子がついて投資金額がどんどん大きくなっていくことです。
貯金も投資も緊急性が低いため後回しにされがちですが、やっているかやっていないかで将来大きな差になります。
後回しにし続けてきたせいで将来困らないためにも、若いうちから計画を立てて備えておくようにしましょう。
貯金と投資をバランス良くするために重要な5つのポイント
バランス良く貯金と投資をおこない、将来に備えるには次の5つのポイントがあります。
- 貯金と投資の目的を明確にする
- 家計管理をおこない収支を明確にする
- 貯金や投資は「期間」と「金額」を決める
- ライフスタイルの変化に合わせて割合を変える
- 投資に偏りすぎない
上記のコツを理解した上で、貯金も投稿も長期目線でコツコツと着実に取り組みましょう。
1.貯金と投資の目的を明確にする
貯金と投資の割合を決めるために必要なのが、貯金や投資をおこなう目的(理由)を明確にすることです。
貯金や投資は人によって最適な割合が異なり、目的や金額が決まらないと自分に合った割合が見えてきません。
何のためにどれくらい備える必要があるのかが決まれば、貯金と投資にいくらずつかけるべきなのか、割合を決めやすくなります。
自分に合ったベストな割合を見つけるためにも、貯金と投資の割合は目的から逆算して決めるようにしましょう。
2.家計管理をおこない収支を明確にする
貯金や投資の割合を決めるには、毎月の収支を明確にすることが重要です。月にどれくらいの収入と支出があるのかわからないと、貯金や投資の金額、割合が決められません。
貯金や投資は、生活資金をまかなった後の余剰資金でおこなうため、家計をしっかりと正しく把握しておく必要があります。
また、収支を把握する際、固定費や娯楽費などを賢く削減していくことで、貯金や投資により多くのお金を回せるようになります。
3.貯金や投資は「期間」と「金額」を決める
貯金や投資は割合を決めるよりも、「期間」や「金額」を決めるのがおすすめです。重要なのは「いつまでに」「いくら備えるか」なため、割合で考えるのは本質的ではありません。
貯金と投資の目的を明確にしたら、どれくらいの期間でいくら(金額)ずつ費やすかを決めましょう。
(例)貯金
- どれくらい(期間):10年間
- いくら(金額):600万
600万÷120ヵ月(10年)=5万/月
目的から期間や金額を逆算して貯金や投資をおこなうことが重要で、割合はそれほど重視する必要がある部分ではないと言えます。
4.ライフスタイルの変化に合わせて割合を変える
貯金や投資の割合は、生活や支出の変化に合わせて臨機応変に変更するのが良いです。
結婚や住宅の購入、老後など、ライフスタイルの変化によって、貯金や投資にかけられる金額も変わります。定期的に目標や金額の見直しをおこない、無理のない範囲でおこなうようにしましょう。
貯金や投資も大事ですが、肝心の生活に支障が出てしまっては本末転倒です。直近で備えが必要な場合は貯金を多めに、将来の資金を充実させたい場合は投資を多めになど、状況によって最適化させることをおすすめします。
5.投資に偏りすぎない
貯金と投資の割合を決める際は、投資にウェイトを置きすぎないようにしてください。
投資に比重を置きすぎて貯金が手薄になると、いざというときの突発的な支出に対応できない恐れがあります。あくまで、投資は生活を圧迫しない範囲の余剰資金でおこなうのが鉄則です。
また、投資には元本割れのリスクがあるため、投資に偏りすぎるのは非常に危険です。損失が出る恐れがある点を十分理解した上で投資し、リスク対策を取るようにしましょう。
初心者にもおすすめの貯金・投資方法3選
これから貯金や投資を始めようと思っている。初心者には、次のような方法がおすすめです。
- NISA【投資】
- iDeCo【投資】
- 定期預金【貯金】
いずれも手軽に始められる方法なため、何から始めれば良いか迷っている人は、ぜひ検討してみてください。
1.NISA【投資】
これから投資を始めて資産形成をするなら、NISAがおすすめです。NISAとは政府が運営している投資信託で、運用益が非課税になる大きなメリットがあります。
投資のプロであるファンドが代わりに運用をしてくれるため、投資の知識がない初心者でも簡単に始めやすいです。
投資を始めたいと思っているものの、難しいことがよくわからない人は、NISAから始めてみてください。
NISAのことをさらに詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にするのがおすすめです。
2.iDeCo【投資】
投資初心者で老後資金の備えがしたい場合は、iDeCoを活用するのが良いでしょう。iDeCoとは確定拠出型年金と呼ばれる、個人で運用するタイプの年金です。
自営業、会社員、専業主婦で掛金が異なり、掛け金は60歳にまで引き出せない特徴があります。途中で掛け金を引き出したい人には向いていませんが、老後資金を公的年金+αで確保したい人にはおすすめです。
iDeCoをさらに詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
3.定期預金【貯金】
これから貯金を始めようと思っている人は、定期預金を活用するのがおすすめです。定期預金とは、貯金をする金融機関であらかじめ預け入れ期間を決めて、貯金していく方法です。
満期になるまで引き出すことはできませんが、金利が高いメリットがあります。途中引き出しができないため、ついつい使ってしまう心配がなくなります。
貯金期間は、1ヶ月〜10年程度まで設定可能です。せっかく貯めてもすぐに引き出して使ってしまう人は、定期預金を活用してみると良いでしょう。
まとめ:貯金と投資のバランスを整えて賢く将来に備えましょう
貯金も投資も自分の生活に合ったバランスで、無理なく長期的に取り組むことが重要です。
最後に、自分に合った貯金と投資の割合を見つけるために重要なポイントについて、あらためておさらいしていきます。
- 貯金と投資の目的を明確にする
- 家計管理をおこない収支を明確にする
- 貯金や投資は「期間」と「金額」を決める
- ライフスタイルの変化に合わせて割合を変える
- 投資に偏りすぎない
年代別の割合は参考程度にして、自分のライフイベントやスタイルに合った最適な割合を見つけていきましょう。