投資・資産形成

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?制度の概要をわかりやすく解説!

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?制度の概要をわかりやすく解説!
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「公的年金だけで、老後生活を豊かに過ごせるだろうか?」
「資産運用の経験がないけれども、初心者に向いている運用商品はどれだろうか?」

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、国民年金や厚生年金などの公的年金とは別に給付が受けられる私的年金制度の一つです。

国が投資を推奨しているため、投資初心者でも加入しやすく、税制優遇を活用しながら資産運用できます。

この記事では、iDeCoの制度概要とメリット、そして加入する際の注意点をわかりやすく解説します。当記事を読めば、公的年金の不安を和らげ、資産形成を始めるきっかけを得られるでしょう。

この記事でわかること
  • iDeCoの概要とメリット
  • iDeCoの注意点
こんな人におすすめの記事です
  • 老後資金について不安を抱えている方
  • 資産形成(金融資産運用)を始めたい方
  • 節税効果を得たい方

iDeCo(イデコ)とは?

iDeCo(イデコ)とは?

iDeCoは日本の年金制度の一環で、個人が自発的に加入し、将来の老後資金を積み立てるための制度です。

自分で運用先を選択できるため、リスク許容度や投資目標に合わせた運用ができます。
拠出して積み立てる掛け金に対しては、税制優遇があり、将来の安定した生活設計に役立ちます。

NISA(少額投資非課税制度)と一緒によく取り上げられますが、NISAはiDeCoとは異なり、老後資金の準備だけを目的とはしていません。それぞれの特徴を理解して、目的に合った制度を選択するとよいでしょう。

NISAについてはこちらの記事をご参照ください。

iDeCo(イデコ)の制度概要

iDeCoを活用すれば、公的年金の上乗せ部分を自分で効率よく形成できます。
しかし、運用商品であるため、制度をしっかりと理解したうえで加入を判断するのが重要です。ここでは、iDeCoの制度概要についてみていきましょう。

加入対象者

iDeCoの加入対象者は、以下のとおりです。

加入区分加入対象者
国民年金第1号被保険者自営業者とその家族・フリーランス・学生など
国民年金第2号被保険者厚生年金の被保険者(会社員・公務員など)
国民年金第3号被保険者厚生年金の被保険者に扶養されている方
国民年金任意被保険者国民年金に任意で加入した方

iDeCoに加入して、新規に掛け金を積み立てができるのは、原則として20歳から65歳未満の人です。国民年金の1号保険者と第3号被保険者の加入は、60歳未満まで、国民年金の第2号被保険者は60歳以降も加入できます。

拠出限度額

iDeCoは月々5,000円から始められ、拠出限度額の範囲内で掛金額を1,000円単位で自由に設定できます。

iDeCoの拠出限度額は、以下のとおりです。

加入資格拠出限度額(月額)
国民年金第1号被保険者6万8,000円
国民年金第2号被保険者 企業年金がない2万3,000円
企業型確定拠出年金のみ加入2万円
企業型確定拠出年金と確定給付企業年金に加入1万2,000円
確定給付企業年金のみ加入1万2,000円
公務員1万2,000円
国民年金第3号被保険者 2万3,000円

拠出額の上限は個人の属性によって異なるので、事前に確認してから行うようにしましょう。

運用方法

iDeCoは銀行・生命保険会社・証券会社などの金融機関で取り扱われており、その各々で揃えている商品が異なります。

運用方法は、「元本確保商品」と、元本が変動する「投資信託」に分けられます。元本確保商品には定期預金や保険商品があり、元本の安全性が高いものの、金利は低いのが特徴です。

一方で投資信託は、元本の保証はありませんが、期待リターンに応じたさまざま運用スタイルの商品がラインアップされるのが特徴です。

自身の将来のために、リスクを抑えるのか、積極的な運用スタイルを選ぶのか、自由な選択ができます。

参考:iDeCoをはじめるまでの5つのステップ|iDeCo公式サイト

給付(受け取り)方法

iDeCoの給付の方法には一時金(一括)と年金(分割)があり、多くの金融機関では、一時金と年金を組み合わせた併用でも受け取りが可能です。

一時金は、75歳になるまでの間に一括で受け取れます。年金は、5年以上20年以下の有期年金で、受給を開始する時期は75歳になるまでの間で選べます。

原則60歳以上の年金受給開始時に加入者本人が受け取れますが、60歳から受け取るには最初の掛金拠出から10年経過していなければなりません。10年に満たない場合は、加入時の年齢によって受け取りできる年齢が変わります。

iDeCo(イデコ)に加入するメリット

iDeCo(イデコ)に加入するメリット

長期化する老後生活を豊かに過ごすためには、計画的に資金を準備していかなければなりません。iDeCoの有効活用は、ゆとりのある老後生活を実現する手段の一つです。

ここでは、iDeCoに加入するメリットをみていきましょう。

節税効果が図れる

iDeCoの大きなメリットとして挙げられるのが、節税効果です。
掛金の拠出時・運用時・給付時の3つのタイミングで、税制優遇措置を受けられます。

拠出する掛金の全額は、所得控除の一つである「小規模企業共済等掛金控除」として課税所得から差し引けるため、所得税や住民税が軽減されます。

たとえば、毎月の掛金が5,000円の場合、所得税(10%)・住民税(10%)とすると年間1万2,000万円の税金が軽減されます。

通常、運用で得られた収益は20.315%の源泉分離課税の対象ですが、iDeCoで得られたものに対しては税金がかかりません。

給付時に一時金を選択すれば、「退職所得控除」が利用できます。また、年金を選択するならば「公的年金等控除」が利用できるため、公的年金などを含めた収入金額から公的年金等控除を差し引いて所得金額の計算ができます。

このように各タイミングで節税効果が得られるのが最大のメリットといえるでしょう。

参考:iDeCoのメリット|iDeCo公式サイト

効率よく運用ができる

iDeCoは、自分で自由にポートフォリオ(資産配分)を構築できるため、効率的な運用と管理が実現できるのがメリットです。

投資対象商品や掛け金を途中で変更できるため、家計の現状や将来のライフプランの変更にも柔軟に対応できます。

拠出が難しくなっても、一時的に掛け金を止める対応も取れるため安心です。運用成果によって保有商品の入れ替えや、配分の変更もでき、自分のリスク許容度に合わせることも可能です。

リスクを分散できるさまざまな商品が揃っているため、効率的な運用成果が期待できる点がメリットといえます。

年金制度間でポータビリティができる

iDeCoで形成された資産は、転職や独立をしたときでも、年金制度間で自由にポータビリティ(持ち運び)ができます。

必要な条件を満たすならば、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金など、他の年金制度からの資産を引き継ぐことも可能です。制度に継続して加入できれば、一つにまとまった年金資産を形成できるため、管理も容易です。

転職先の企業型DCに移換するか、iDeCoとして運用するか、自分の希望で資産を持ち運べるため、今の会社で働き続ける予定がない場合も安心してよいでしょう。

参考:iDeCo加入者で転職・退職された方へ|iDeCo公式サイト

iDeCo(イデコ)に加入する際の注意点

iDeCoを活用すれば、効率的に老後資金が準備できますが、加入の際には押さえておかなければならないポイントがあります。

ここでは、iDeCoに加入する際の注意点をみていきましょう。

元本が割れてしまう可能性がある

iDeCoは、将来に受け取れる額があらかじめ確定している訳ではありません。

投資信託で運用する場合は、成果によっては元本が割れてしまう可能性があります。
そのため株価や債券価格の変動、経済の動向を注視しながら、ポートフォリオを組むのが重要です。

そもそも投資には「利益が約束された投資はない」ことを理解しておく必要があります。
自身のリスク許容度や投資目標額を明確にして、ライフプランに合わせて運用するのが重要といえるでしょう。

60歳になるまで原則引き出せない

そもそもiDeCoに加入する目的は、公的年金の他に個人が将来に必要となる資金を準備するためです。
iDeCoには私的年金の位置づけもあり、60歳になるまで原則引き出し(中途換金)ができません。

そのため、加入する際には、前もって将来受け取りたい年金額をシミュレーションしておき、掛け金が負担にならないようにするのが重要です。

ただし、加入者が一定以上の障害状態になったり死亡したりした場合は、60歳前でも障害給付金や死亡一時金を受給できるため、事前に各種条件を確認しておくのがおすすめです。

管理料と手数料がかかる

iDeCoに加入する際には、金融機関で専用口座を作らなければなりません。
口座開設時には、iDeCoの運営元である国民年金基金連合会に対して2,829円(税込み)の手数料が必要です。

口座開設後は、金融機関には事務委託手数料として毎月66円、国民年金基金連合会には収納手数料として拠出1回ごとに105円を支払わなければなりません。

金融機関によっては、運営管理手数料が毎月かかる場合もあり、投資信託で運用する場合は信託報酬や信託報酬財産留保額も必要になります。

このように、最低限必要な手数料が発生することを念頭に置いておくとよいでしょう。

参考:iDeCo加入手続きについて(手数料について)|iDeCo公式サイト

受け取り方法によっては税金がかかる

iDeCoの受け取りは一時金と年金、そして双方の併用を選択できますが、受け取り方法によっては税金がかかるため注意が必要です。

一時金は退職所得控除を受けられますが、別途退職金が出るならば、一時金と退職金の合算で控除額を差し引くために税金がかかる場合があります。

年金で受け取る場合も、他に所得があり、公的年金等控除額以上の収入になるならば税金がかかります。

シミュレーションを活用し、併用も検討するなど、事前に受け取り方法を確認しておくのがおすすめです。

iDeCo(イデコ)の制度を上手に活用しよう!

iDeCoを上手に活用すれば、節税しながら老後資金の準備ができます。

最低拠出金額も5,000円であり、負担の少ない額で加入できるのも魅力の一つです。

60歳まで引き出せませんが、掛け金の変更や停止など、柔軟な対応ができます。中途換金ができないからこそ、長期間にわたって着実に資産形成ができる制度と言っても過言ではありません。

シミュレーションも有効に活用し、ご自身の理想とするライフプランに合った老後資金を準備してくださいね。

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