FX通貨ペアとは?初心者向け選び方と勝ちやすい通貨ペアも紹介
目次
「FXをはじめたいけど、どの通貨ペアから始めればいいの?」
「リスクを抑えながら利益を出せる通貨ペアってあるの?」
このような疑問を、FX初心者の多くが持っていることでしょう。FXを始める際の通貨ペア選びは、その後の収益を大きく左右する要素なので、迷ってしまうのも仕方ありません。
本記事では、通貨ペアの基礎知識から初心者向けの選び方、具体的なおすすめ通貨ペアもご紹介します。これからFXを始める人、さらに収益をあげたい人は、ぜひ最後までお読みください。
トレードスタイルに合った通貨ペアが見つかり、効率的なFX取引を実現できるようになるでしょう。
- FXの通貨ペアとは何か
- 初心者向け通貨ペアの選び方
- 初心者におすすめの通貨ペアとその特徴
- FXの通貨ペアとは何か
- 初心者向け通貨ペアの選び方
- 初心者におすすめの通貨ペアとその特徴
FXの通貨ペアとは?
2国間の通貨の価値の差を利用して利益を得るのがFX取引です。この2つの通貨の組み合わせを「通貨ペア」と呼びます。
FXを始める前に、通貨ペアに関する基本的な用語と概念を理解しておくことが重要です。ここではまず、通貨ペアの基礎知識を解説します。
基軸通貨と決済通貨
通貨ペアは一般的に「USD/JPY」のように表記されますが、この表記方法には次のような意味があります。
- 左側の通貨:基軸通貨(この例ではUSD=米ドル)
- 右側の通貨:決済通貨(この例ではJPY=日本円)
つまり、USD/JPYの場合「米ドルを買うために日本円で決済する」という意味になります。この理解は、為替レートの動きを正確に把握するうえで非常に重要です。
メジャー通貨とマイナー通貨
FX市場では取引量や参加者の多い通貨を「メジャー通貨」、反対に少ない通貨を「マイナー通貨」と呼んでいます。
一般的に、メジャー通貨といえば以下の通貨を指します。
- 米ドル(USD)
- ユーロ(EUR)
- 英ポンド(GBP)
- 日本円(JPY)
- スイスフラン(CHF)
- 豪ドル(AUD)
- カナダドル(CAD)
これらのメジャー通貨は、流動性が高く、比較的安定した値動きを示す傾向があります。一方、マイナー通貨は取引量が少なく、価格の変動が大きいのが特徴です。
メジャー通貨とマイナー通貨のメリットとデメリットを、以下の表にまとめました。
通貨 種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
メジャー 通貨 | ・流動性が高く、取引しやすい ・スプレッドが狭く、取引コストが低い ・情報量が多く、分析しやすい ・比較的安定した値動きで予測しやすい | ・大きな利益を得るには多額の資金が必要 ・急激な価格変動が少なく、短期で大きな利益を得にくい |
マイナー 通貨 | ・価格変動が大きく短期で利益を狙える ・金利が高いためスワップポイントも高いことが多い ・ニッチな市場で独自の戦略を立てやすい | ・流動性が低く、大口取引が難しい ・スプレッドが広く、取引コストが高い ・情報が少なく、分析が難しい ・政治や経済情勢の影響を受けやすく、リスクが高い |
長期で安定した取引を目指すのか、短期的な利益を狙うのかなど、トレードの戦略によりメジャー通貨かマイナー通貨かの選択は分かれます。
FX初心者には比較的リスクの低いメジャー通貨がおすすめですが、自身のリスク許容度も鑑み選ぶようにしましょう。
スプレッドとは スプレッドは、通貨の買値と売値の差のことで、FX取引における実質的な手数料にあたります。 例えばスプレッドが0.2銭の場合、買値が100円、売値が100.002円などといった価格となり、実施的に0.002円(=0.2銭)の含み損を抱えることになるのです。 スプレッドが狭いほど取引コストが低くなるため、トレーダーにとっては有利です。多くのFX会社が競争力を高めるため、主要通貨ペアではスプレッドを狭く設定しています。 |
スワップポイントとは スワップポイントは、2つの通貨間の金利差から生じる損益のことです。FXでは、金利の高い通貨を買って低い通貨を売ると、スワップポイントがプラスになります。 例えば、金利の低い円を売って金利の高い豪ドルを買うと、保有期間中にスワップポイントを受け取ることが可能です。 長期保有戦略を取るトレーダーにとっては、重要な収入源として重要視されています。 |
ドルストレートとクロス円(クロス通貨)
通貨ペアは、米ドルの有無によって以下の3通りに分類されます。
- ドルストレート:米ドルを含む通貨ペア(例:EUR/USD, GBP/USD)
- クロス円:日本円と米ドル以外の通貨のペア(例:EUR/JPY, GBP/JPY)
- クロス通貨:米ドルと日本円以外の通貨同士のペア(例:EUR/GBP, AUD/CAD)
米ドルは世界の基軸通貨であるため、ドルストレートは最も流動性が高く、取引量も多いのが特徴です。
一方、クロス通貨は実際の取引では一度米ドルを介して交換が行われます。例えば、EUR/JPYを取引する場合、実際には以下のような過程を経ています。
EUR → USD → JPY
複数の通貨が関わるため、価格変動もさまざまな要因を受けるのがクロス円/クロス通貨の特徴です。
それぞれのメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ドルストレート | ・流動性が非常に高く、取引が容易 ・スプレッドが非常に狭い ・情報量が豊富で分析しやすい ・比較的安定した値動きで予測しやすい | ・大きな利益を得るには多額の資金が必要 ・米国の経済指標や政策に大きく影響される |
クロス円 | ・日本の経済動向の影響を受けるため情報を得やすく、トレンドを読みやすい ・ドルストレートに比べると価格変動が高い ・円の安全性を活かした取引が可能 | ・ドルストレートに比べてスプレッドがやや広い ・2国間の金融政策の影響を受けるため分析が複雑 |
クロス通貨 | ・独自の値動きがあり、ユニークな取引ができる ・特定の地域や産業に注目した取引が可能 ・高いスワップポイントが期待できることも | ・流動性が比較的低く、大口取引が難しい ・スプレッドが広い傾向がある ・情報が少なく、分析が難しい場合がある ・為替コストが高くなる可能性がある |
FX初心者は、情報が豊富で流動性の高いドルストレートから始めるのをおすすめします。徐々にトレードの経験を積み、クロス円やクロス通貨にも挑戦すれば、より高度な戦略を立てられるようになるでしょう。
FX初心者向け|通貨ペアの選び方
FX初心者が通貨ペアを選ぶ際は、自分のトレードスタイルや目標に合わせて慎重に選択することが重要です。ここでは、初心者向けの通貨ペア選び方を、次の3つご紹介します。
リスクを抑えつつFXで利益を得るために、これらのポイントをしっかり理解しておきましょう。
取引量が多い通貨ペア
取引量の多い通貨ペアを選ぶことは、FX初心者にとって大きなメリットがあります。その理由は次の3つです。
- 流動性が高く、安定した値動きを示す傾向がある
- 多くのトレーダーが参加しているため、情報が豊富で分析しやすい
- 売買が活発なため、希望する価格で約定しやすい
これらの理由から、取引量の多い通貨ペアを選ぶことでローリスクでの取引が可能になることがわかります。
初心者は通貨の取引量の多さに注目し、通貨ペアを選ぶとよいでしょう。
ボラティリティが適度に高い通貨ペア
ボラティリティとは、「価格変動」のことです。
FX取引で利益を得るには価格の変動が不可欠ですが、ボラティリティが高すぎるとそれに伴いリスクも増えます。つまり、期待できるリターンが大きい反面、失敗した時の損失も大きくなってしまうのです。
そのため初心者の間は、適度なボラティリティを持つ通貨ペアの選定をおすすめします。
スプレッドの狭い通貨ペア
スプレッドとは通貨の売値(Bid)と買値(Ask)の差のことです。FXの実質的な手数料、つまり取引コストとなります。
初心者が確実に利益を出すには、このコストを抑えることが重要です。メジャー通貨ペアは一般的にスプレッドが狭い傾向にあります。
FX会社によってもスプレッドは異なるので、FX口座を開設する際にも比較検討が必要です。
FX通貨ペアランキング
では、実際に多く取引されている通貨ペアはどのようなものか、日本国内で取引量の多い通貨ペアのランキングを見てみましょう。
順位 | 通貨ペア | 取引金額(百万円) | 特徴 |
1 | USD/JPY | 951,699,594 | 最も流動性が高く、初心者に最適な定番ペア |
2 | GBP/JPY | 43,785,855 | ボラティリティが高く、値動きが大きい |
3 | EUR/JPY | 35,395,011 | 欧州経済の影響を受けやすく、トレンドが明確 |
4 | AUD/JPY | 33,530,618 | 金利差に敏感で、リスク選好の指標にも |
5 | MXN/JPY | 17,290,576 | 高金利通貨で、スワップ収入を狙いやすい |
6 | EUR/USD | 16,024,219 | 世界最大の取引量を誇る主要通貨ペア |
7 | NZD/JPY | 5,357,213 | 金利差とリスク選好の影響を受けやすい |
8 | AUD/USD | 4,577,232 | 商品市況の影響を受けやすい通貨ペア |
9 | GBP/USD | 3,510,827 | 英国の政治経済ニュースに敏感に反応 |
10 | CHF/JPY | 2,532,567 | 安全資産として知られ、リスク回避時に強い |
このランキングは、取引量の多さを重視する初心者にとって有用な指標となります。
取引量が多いということは、それだけ多くのトレーダーがその通貨ペアに注目しているということです。「FX初心者向け|通貨ペアの選び方」でご紹介したメリットも享受しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
おすすめ通貨ペア3選|FX初心者でも勝ちやすいのは?
FXで絶対に勝てる通貨ペアというものは存在しませんが、初心者にとって扱いやすい通貨ペアは確かに存在します。
ここでは投資スタイルに合わせ、次の3つの通貨ペアをご紹介します。
それぞれの特徴をしっかり理解し、自分に合った通貨ペアを見つけましょう。
安定した値動きを求めるなら「米ドル/円」
米ドル/円(USD/JPY)は、FX初心者にとって最もおすすめの通貨ペアの一つです。その理由として、次のようなことが挙げられます。
- 取引量が最も多く流動性が非常に高いため、比較的安定した値動きを示す
- 多くのFX会社でスプレッドが狭く設定されているため、取引コストを抑えられる
- 日米の経済指標や政策の影響を受けやすいため、日本在住のトレーダーにとっては情報を得やすく分析もしやすい
例えば、日銀の金融政策決定会合やFOMS(連邦公開市場委員会)の発表後は大きく動く傾向があります。また、米国の雇用統計もニュース等でよく耳にすることでしょう。
このような予測可能なイベントを活用すれば、初心者でも比較的安全に取引を行うことができます。
世界一の取引量で選ぶなら「ユーロ/米ドル」
ユーロ/米ドル(EUR/USD)は、世界で最も取引量の多い通貨ペアであり、初心者にも人気があります。
最大の魅力は、世界の主軸通貨同士のペアであるため流動性が非常に高いという点です。またスプレッドも非常に狭く、取引コストを低く抑えることができます。
ボラティリティは比較的低いですが、一度トレンドが出ると持続しやすいという特徴もあります。短期の値上がりではなく、長期で保有しリターンを狙うスタイルとなるため「常にチャートに張り付いていられない」という人におすすめです。
尚、ユーロと米ドルの取引が活発となるのは16時以降ですので、相場が動きやすい時間帯に差があるのには気を付けましょう。
ユーロ/米ドルは欧州と米国の経済醸成の影響を受けやすいので、適切に分析することで、初心者でも効果的な取引を行うことができるでしょう。
ボラティリティの高さなら「英ポンド/円」
英ポンド/円(GBP/JPY)は、メジャー通貨の中でもボラティリティが比較的高く、短期での利益獲得を狙う初心者にも人気があります。
英国と日本の金融政策の影響を強く受けるため、政策変更や経済指標の発表時には大きく変動することがあります。例えば、イギリスのEU離脱に関するニュースが流れた際には、一日で10%以上も価格が変動することもありました。
ただし、ボラティリティが高いということは、それだけリスクも高いということを忘れてはいけません。適切なリスク管理を行いながら取引することが重要です。
まとめ|FX通貨ペアの特徴を学び自分に合った選び方を
FXの通貨ペア選びは、成功への重要なステップです。初心者は、本記事でお伝えしたポイントを押さえて通貨ペアを選びましょう。
まずは米ドル/円やユーロ/米ドルなど、メジャーな通貨ペアから始めることをおすすめします。これらの通貨ペアは流動性が高く、情報も豊富なため、初心者でも比較的安全に取引を始めることができます。
経験を積むにつれて、英ポンド/円などよりボラティリティの高い通貨ペアにも挑戦してみるのもいいでしょう。常に市場の動向を注視し、自分の経験に合わせて少しずつ取引の幅を広げていくことが、成功への近道です。
FXは確かにリスクを伴う投資ですが、しっかりと知識を身に付け、適切にリスク管理を行えば安定した副収入源となる可能性を秘めています。この記事で学んだ知識を活かし、自信を持ってFX取引を始めてみてください。
FX通貨ペアについてよくある質問
Q. 通貨ペア数とは?
通貨ペア数とは、各FX会社が取り扱っている通貨ペアの総数のことを指します。
この数はFX会社によって大きく異なり、初心者向けの少数の主要通貨ペアのみを扱う会社から、50以上の通貨ペアを提供する会社まで様々です。
口座開設の際は、自分のトレードスタイルや目標に合った通貨ペア数を提供しているFX会社を選びましょう。
Q. 通貨ペアのトレンドとは?
通貨ペアのトレンドとは、ある一定期間における相場の方向性のことを指します。主に以下の3つに分類されます。
- 上昇トレンド:通貨ペアの価格が継続的に上昇している状態
- 下降トレンド:通貨ペアの価格が継続的に下落している状態
- 横ばいトレンド:一定の価格帯で上下動を繰り返している状態
例えば、米ドル/円が1ヶ月間で100円から105円まで段階的に上昇していれば、それは上昇トレンドと言えます。
トレンドの把握は、FX取引で利益を上げるための重要な要素の一つです。「トレンドフォロー」というトレンドに乗って利益を得る戦略もあります。
Q. 難易度の高い通貨ペアは?
FXの世界では、一般的に以下のような通貨ペアが「難易度が高い」と言われています。
- トルコリラ/円(TRY/JPY)
- メキシコペソ/円(MXN/JPY)
- 南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
これらの通貨ペアはボラティリティが非常に高い、流動性が低いなどといった理由から難易度が高いと言われています。政治経済情勢が不安定で、予測が困難というのも一因です。
しかし、これらの通貨は高いスワップポイントが魅力であり、経験豊富なトレーダーの間では人気があります。
高難易度の通貨ペアは、高いリターンの可能性がある反面、大きな損失を被るリスクも高いです。いずれはこれらの通貨ペアにチャレンジしたいと考えている人も、まずは主要通貨ペアでの取引に慣れるようにしましょう。