NISAの米国株投資にはデメリットがある?対策やメリットを解説
目次
NISAで米国株に投資したいと思っているものの、デメリットが気になってなかなか始められない人も多いのではないでしょうか。
米国株投資にはデメリットがあり、注意点をよく理解しないまま運用を始めてしまうと、損失リスクがあります。
ですが、デメリット以上にメリットが大きいのも、NISA×米国株の特徴です。また、気になるデメリットは、有効な対処法さえ理解していればリスクを避けられます。
この記事では、NISAで米国株に投資するメリット・デメリットと、デメリットを解消する対処法について解説しています。
NISA×米国株のメリット・デメリットをよく理解してリスクを回避しつつ、安定して成果が出る堅実な運用をおこないましょう。
- NISAで米国株投資を始めるデメリットとメリット
- NISA×米国株投資のデメリットを解消できるおすすめの対策
- NISAの米国株投資でやってはいけないNG行為
- NISAで米国株投資を始めようと思っていたが、デメリットがあるのではないかと不安に思っている人
- NISA×米国株のデメリットを解消する方法が知りたい人
- NISA×米国株のデメリットとメリットをよく理解した上で投資を始めたい人
NISAで米国株に投資する5つのデメリット・注意点
NISAで米国株投資をするときの注意点は、主に次の5つです。
- 元本保証がなく、損失のリスクがある
- 為替リスクが存在する
- 短期間では利益が出ない
- 損益通算と繰越控除ができない
- 配当金は米国で課税対象となる
デメリットを知らずに投資を始めてしまうと失敗のリスクが高まるため、必ず把握しておきましょう。
1.元本保証がなく、損失のリスクがある
NISAを始めとした投資や投資信託では利益を得られるメリットがある反面、損失が発生するリスクも存在します。
NISA(投資信託)は投資の中ではそれほどリスクが高くないものの、投資の仕組み上、元本割れする恐れがある点について理解しておきましょう。
定期預金や個人向け国債などの方法には元本保証がありますが、投資はこれらと比較すると利益や損失の振れ幅が大きいです。赤字は出したくない、できるだけ安全な方法を検討している人は注意してください。
ただし、20年、30年のような長期スパンで投資をすれば、大きな損失になるリスクは少ないです。
2.為替リスクが存在する
NISAを含む米国株投資には、日本株にはない為替リスクが存在します。為替リスクとは、為替相場の値動きによって資産の価値が変動し、損益が発生するリスクのことです。
例えば、米ドルの価値が購入時よりも下がっている場合、運用利益が出ていても為替差損(損失)が発生してしまいます。米国株は日本株よりも利益を得やすい反面、日本株にはない特有のリスクも存在するため、十分に注意した上でおこないましょう。
為替リスクは米国株だけでなく、他の海外株でも同様に存在します。
3.短期間では利益が出ない
NISAや米国株に限らず、投資は短期間で大きな利益を出すのが難しいです。
(投資金額が大きい場合やデイトレードなどは例外)
NISAや投資信託は、基本的に少額で長期間コツコツと積み立てて手堅く利益を生む投資方法です。
数ヶ月、数年ではまとまった利益が期待できないため、20〜30年のような長期スパンで取り組む必要があります。
損失を出さずに安定した利益を得るためにも、最低でも10年以上は継続するのがおすすめです。
4.損益通算と繰越控除ができない
通常の投資では確定申告で損益通算と繰越控除ができますが、NISAは対象外となっています。
運用益や配当金の一部が非課税になるメリットがある分、確定申告での控除には対応していないのがNISAの特徴です。
NISAで大きな損失を出してしまうリスクは比較的低いですが、控除ができない点については必ず理解しておく必要があります。
5.配当金は米国で課税対象になる
NISAは運用益と配当金が非課税になりますが、配当金は米国で課税対象となるため注意が必要です。
米国株にかかる税金は運用益と配当金(日本・米国)ですが、NISAで非課税になるのは運用益と日本での配当課税の2種類です。米国での配当税10%は課税されてしまうため、必ず理解した上で投資するようにしてください。
通常の米国株投資では、確定申告で外国税額控除制度を活用すれば控除による還付金の受け取りができますが、NISAでは対象外となっています。
NISAで米国株に投資する4つのメリット
NISAで米国株投資を始めるメリットは、主に次の4つです。
- 初めて投資をする初心者でも運用しやすい
- 譲渡益と日本での配当金が非課税になる
- 購入・運用のコストが安い
- 少額から手軽に始められる
デメリットだけでなく、運用が簡単で利益が出やすい点についても理解した上で投資を検討しましょう。
1.初めて投資をする初心者でも運用しやすい
NISA(投資信託)は投資のプロであるファンドが代わりに株式を運用してくれるため、投資に詳しくない初心者でも簡単に始めやすいのがメリットです。
もちろん、投資信託だけでなく、個別株も購入できます。
NISAが投資初心者におすすめの理由は、次の通りです。
- 金融庁が運営しており、政府が厳選した安全性の高い銘柄しか購入できない
- ファンドが運用をするため、チャートや相場が分からなくても始められる
これから投資を始める場合や、初めて米国株を購入する場合はNISAを活用するのがおすすめです。
2.譲渡益と日本での配当金が非課税になる
NISAの米国株投資では、運用益課税と配当金(日本のみ)が非課税になる優遇措置があります。
通常、米国株投資をおこなうと運用益課税、米国と日本の2ヶ所で配当課税が発生します。3種類ある税金のうち2種類が非課税になるため、受け取れる利益が大きくなるのがNISAの大きなメリットです。
【米国株投資で発生する税金と税率】
- 運用益課税→20.315%
- 配当課税→米国:10%、日本:20.315%
ただし、米国で発生する配当課税10%は非課税にならないため注意してください。
3.購入・運用のコストが安い
NISA(投資信託)は、購入時や運用時にかかる手数料が安いのがメリットです。購入や売却、保有には、次のような手数料が発生します。
- 販売手数料(購入時)
- 信託報酬(運用時)
- 信託財産留保額(売却時)
具体的な金額は、購入する銘柄や利用する証券会社によって異なります。少しでもコストを抑えてお得にNISAで米国株投資を始めるには、証券会社選びが重要です。
手数料が安くて銘柄が豊富なおすすめの証券会社が知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
4.少額から手軽に始められる
NISAは100円から購入できるため、少額から手軽に始められるメリットがあります。通常の投資で米国の個別株を購入する場合は最低購入金額が設定されており、ある程度の予算がないと購入できない場合が多いです。
NISAなら投資のハードルがかなり低いため、難しいと感じている人やまとまったお金がない人でも気軽に始められます。
投資になじみのない人でも、資産運用を始めるきっかけになるのがNISAを活用する大きなメリットです。
NISAでの米国株投資のデメリットを解消するおすすめの対策2選
リスクや不安要素となる、NISAで米国株に投資するデメリットを解消するには、次の対策がおすすめです。
- 毎月コツコツと購入して長期で投資する
- 投資信託で分散投資を狙う
上記の対処法を実践して、リスクを最小限に抑えた運用をおこないましょう。
1.毎月コツコツと購入して長期で投資する
NISAでの損失リスクや短期間で利益が出ないデメリットを解消するには、毎月投資で長期で継続するようにしましょう。
投資は短期間だと運用金額が少ないため、利益が出ない可能性が高いです。
ですが、10年・20年と長期スパンで毎月コツコツと投資・運用を続ければ、複利の効果で徐々に大きな利益が見込めるようになります。
複利とは、利子に利子がついてさらに利益が大きくなることです。株価や為替に関係なく、毎月一定金額分を購入し続ける「ドルコスト平均法」なら、長期投資によって安定した資産形成ができます。
目先の利益を追求せず、将来を見据えた堅実な運用が、NISAで損失を避けて利益を出すために重要なコツです。
2.投資信託で分散投資を狙う
NISAで損失のリスクを低減するなら、投資信託で分散投資を狙うのがおすすめです。投資信託の商品は複数の銘柄がセットになっているため、1本購入するだけで分散投資・リスクヘッジ効果が期待できるためです。
個別銘柄を購入すると、企業の業績や株価が利益を大きく左右します。
ですが、投資信託なら銘柄内で株価が上がっている企業と下がっている企業が存在するため、知識がなくてもバランスが取れた運用ができます。
投資の知識があまりない、リスクを最小限に抑えたい人は、NISAでの投資信託がおすすめです。
NISAの米国株投資でやってはいけない3つの行為
NISAでの米国株投資には、失敗の原因となってしまう3つのNG行為が存在します。
- 短期間で購入・売却を繰り返す
- 継続しない・長期間保有しない
- 証券口座や銘柄の手数料を確認しない
上記に当てはまる投資や運用をすると資産形成に支障が出てしまうため、必ず避けるようにしましょう。
1.短期間で購入・売却を繰り返す
NISAの米国株投資では、短期間で購入と売却を繰り返す行為はNGです。個別株や投資信託は長期投資による複利や配当がメリットなため、短期で売買してもほとんど利益が出ません。
最初に最適な銘柄を選定したら、あとはコツコツと投資・運用を続けましょう。投資は頻繁に売り買いをするイメージがありますが、短期で購入や売却をおこなうのはデイトレードやFXなどです。
投資と投機は似て非なるものなため、違いを十分理解しておくことが重要です。
2.継続しない・長期間保有しない
NISAではすぐに購入・運用をやめたり、購入する銘柄をコロコロと変えたりするのはNGです。
NISAは毎月コツコツと投資して、長期で保有し続けることで大きな利益を得られる仕組みになっています。
数回だけ購入したものを保有していても、得られる利益は少ないため注意が必要です。
3.証券口座や銘柄の手数料を確認しない
NISAで証券会社や購入する銘柄の手数料をよく知らないまま、投資を始めるのはNGです。
投資にかかる手数料は証券会社や銘柄によって異なります。
コストを抑えて少しでも多くの利益を出すためには、手数料が安い証券会社や銘柄を選ぶのがポイントです。
取引手数料が安く抑えられるおすすめの証券会社について知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ:NISAでの米国株投資はデメリットよりもメリットが多い
NISAでの米国株投資は、デメリット以上にメリットが多いです。
デメリットについても必要な対策をおこなえば回避できるため、大きな損失が発生するリスクは少ないと言えます。
最後に、NISAで米国株に投資するメリット・デメリットをあらためておさらいしていきます。
【メリット】
- 初めて投資をする初心者でも運用しやすい
- 譲渡益と日本での配当金が非課税になる
- 購入・運用のコストが安い
- 少額から手軽に始められる
【デメリット】
- 元本保証がなく、損失のリスクがある
- 為替リスクが存在する
- 短期間では利益が出ない
- 損益通算と繰越控除ができない
- 配当金は米国で課税対象となる
メリットは最大限に活かしてデメリットは対策をおこない、リスクを最小限に抑えた米国株投資をおこないましょう。